ピーマンの冷凍保存!
メリットや保存方法・
人気レシピ3選も紹介

栄養価が高く、焼いて良し、煮て良し、生でもおいしい万能プレーヤー「ピーマン」。夏が旬ですが、年中見かける野菜なので、常備しているご家庭も多いでしょう。でも、買った状態のまま常温保存してつい腐らせてしまったという経験はありませんか? そこで、冷凍や冷蔵などの上手な保存方法はもちろん、おいしいピーマンの選び方やおすすめレシピなど、ピーマンをもっとおいしく食べるためのコツの数々を、料理家の江口恵子さんに聞きました。
保存方法の中で
もっとも長持ち!
ピーマンを冷凍する
メリットと保存期間

江口さん「ピーマンは丸ごと凍らせることもできますが、冷凍庫でかさばってしまいます。なので、切ってからを冷凍するのがおすすめです。
普段の調理のついでに冷凍する分も切ってしまえば、それほど手間はかかりませんし、調理するときは解凍せずに使えるので調理の手間を減らし時短にもなります。
冷蔵保存したものと比べると、しんなりと食感になるものの、時短につながるのでぜひ冷凍保存してみてください」
ピーマンを冷凍保存する方法


- へた、種、わたを取り除き、洗ったピーマンの水気をていねいに取る。

- 乱切り、細切り、輪切り、千切りなど、使いやすい切り方でカットする。
- ジッパー付き保存袋に入れて平らな状態にならし、金属トレーにのせて冷凍庫へ。

江口さん「水分を残した状態で冷凍させると霜が付き、調理するときに水っぽくなりがち。特に油を使う料理は油がはねやすくなって危ないので、キッチンペーパーなどでしっかり取り除くようにしてください」
ピーマンを冷蔵保存する方法

一方、袋から出したまま保存すると、4~5日ほどで水分が抜けてしわができてしまいます。なので、キッチンペーパーでひとつずつ包んでポリ袋に入れて口をゆるく閉じるか、個別にラップで包んでから冷蔵庫へ入れて。これだけで乾燥や蒸れが抑えられ、1週間から10日ほど日持ちするようになります。

江口さん「冷蔵保存の場合は、切った状態だと空気に触れる面が増えて傷みやすくなるので、切らずに丸ごと保存しましょう。保存前に必ずしも洗う必要はありませんが、洗っておくと使うときの手間を減らせます。その際は流水で洗うなどし、キッチンペーパーで水気を取るように。
熱帯地域が原産のピーマンは寒いところが苦手なので、冷蔵保存をするときにキッチンペーパーで包むと冷やしすぎを防ぐことができます。さらにポリ袋に入れることで乾燥も抑えられます。ただ、袋の口はしっかり閉じると蒸れてしまうので、軽く閉じる程度で。
乾燥を抑えるなら、個別にラップで包むだけでも良いです。」
ピーマンを常温保存する方法

江口さん「水分があれば取り除き、乾燥しないようキッチンペーパーなどで包み、直射日光の当たらない、風通しのよい場所で保存しましょう。なお、先にピーマンを洗っておく必要はありません」
ピーマンの栄養成分や
見分け方について知ろう!

選び方のポイントはまず、見た目に張り、つやがあるもの。それから緑が色濃く均一なものが良いでしょう。へたも張りがあり、茶色くなっていないものが新鮮です。切った部分が乾燥したり変色したりしたものも、鮮度が落ちているので避けましょう。

江口さん「当たり外れが少ないピーマンですが、鮮度はチェックしたいですね。収穫してから時間が経つと水分量が減って弾力性が失われ、しわができてきます。
また、たいていの野菜がそうですが、色が濃い方が味も濃いのでおすすめです。色ムラも少ない方が、全体的に味が濃いでしょう。葉の陰になるなどで太陽の光をしっかり浴びていないものは色が薄くなります」

見比べると、色の濃さは意外に異なるもの。

へたが茶色くなったものは、皮の張りもないことが多いです。

水分が減ったものは、指でつまんだときの感触がフカフカ。購入後に確かめてみて。
種やわたは
取らなくてもいい!?
ピーマンの下ごしらえ

「取るか取らないかは、お好みに合わせて」ですが、今回は、初めての方にもわかりやすいように、種やわたを取り除く方法をご紹介します。あわせて、へたの取り方や切り方もていねいに解説します。

- ピーマンを縦半分に切る。

- へたの部分に親指を入れてもぎ取ると、実の部分を余計に取らずに済む。

- 種とわたを取り除き、残った種を水で洗い落とす。
また、写真のように金属製のスクリューキャップを押し当てて回して切る方法も。清潔なキャップを使用し、切った端を持ち上げるようにすると、ポコッと抜き取れます。残った種が気になる場合は、指でかき出して流水で洗い落としましょう。


江口さん「スクリューキャップを使う方法は、包丁に慣れていない方でも安全にへたが取り除けるので、ぜひお試しを」
冷凍ピーマンも活用できる!
おすすめレシピ3選
やわらか&ジューシー!
『【人気のおかずレシピ】
基本のピーマンの肉詰め』

蒸し焼きしたピーマンがジューシー。 こってりソースで、ごはんがどんどんすすむメインの一皿です。
にんにくの香りでさらに
食欲アップ。
『豚なすピーマンの
甘辛みそ炒め』

歯ごたえのよい乱切りピーマンに、しっとりした豚肉となすの組み合わせ。子どもも大好きな甘辛味のみそだれで絶品です。
しょうゆの香ばしさを存分に。
『焦がし生しょうゆ香る!
ピーマンのジュワッと焼き』

ピーマンの甘みと苦み、そしてシャキシャキした食感が楽しめる一皿。そして鍋肌で焦がしたしょうゆの香り……ぜひ想像してみてください。
ピーマンの栄養素をおいしく摂取できる副菜レシピも!
手軽に使えるピーマンを
冷凍保存すれば、
「あと一品」が
もっと簡単に!

脇役と思われがちですが、『ピーマンのジュワッと焼き』のように単体でもおいしく食べられる食材です。苦みは油で揚げたり、甘味がしっかりした味付けにしたりすると抑えられます。めんつゆでクタクタに煮るのもおいしいので、苦手な方はお試しください」

教えてくれた人 江口恵子さん
料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。
撮影/金田邦男
公開:2022年8月26日 最終更新:2025年1月17日
ホームクッキング編集担当より
ピーマンの保存、あまり繊細に考えたことはなかったのですが、切ってから冷凍は本当に便利と思いました。大袋で買ってきて使い切れないと思ったら、すべて切って冷凍しておくとまったく無駄がありませんね。栄養もプラスできるし、彩りも良くなるし、ピーマンの活躍シーンが増えそうです。ぜひお試しください!(編集長S)