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小松菜は生のまま
冷凍保存で便利&時短!
下処理・ゆで方のコツや
おすすめレシピも

小松菜は生のまま冷凍保存で便利&時短!下処理・ゆで方のコツやおすすめレシピも

ハウス栽培が盛んな小松菜は、スーパーなどでも通年見かける青菜のひとつ。本来の旬は12月から3月にかけてで、この時期は特に甘みが増すと言われています。アクが少なく、下ゆでなしで料理できるのも魅力ですが、今回は、さらに気軽に使える便利な方法をご紹介!下ごしらえの手順やおすすめレシピと合わせてお届けします。

小松菜は生のまま
冷凍保存で時短&楽チン

小松菜を入手したら、とりあえず冷蔵庫に入れるという方も多いのでは?でも、今回おすすめしたいのは、冷凍での保存です。なぜなら、冷凍して組織が壊れることで、火を通さなくてもおいしく食べられるから。洗ってカットしたものを冷凍しておけば、下ごしらえをショートカットできるので、忙しいときにも大助かりですよ。

●まずは小松菜の洗い方

写真:根元の乾いている部分を切り落とす
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根元の乾いている部分を切り落とす。
写真:根元に切り込みを入れる
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根元に1cmほどの切り込みを入れる。株が細いものは1本線、太いものは十字線を入れると良い。
写真:太いものは十字線を入れる
写真:ボウルに水をため、根元を振り洗いする
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ボウルに水をため、根元部分を入れてふり洗いをする。このとき、根元を少し開いた状態にすると、奥に入り込んだ土が落としやすい。水がにごってきたら入れ替え、1~2回繰り返す。
写真:葉部分も振り洗いする
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葉部分も同様に、水の中でふり洗いをする。
Point

江口さん「根元を切るのは、水を吸いやすくするため。完全に切り落とすと、束がバラバラになって扱いにくくなるので、薄くカットするようにしましょう。茎の間に入り込んだ土は、十字に切り込みを入れることで落としやすくなります。きれいに見えて、実は汚れているのが葉の部分。ふり洗いすると、ボウルにためた水は思った以上ににごるので、きちんと洗うようにしましょう」

●生のまま冷凍保存

写真:小松菜を切る
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洗った小松菜を、扱いやすい大きさ(4~5cm)に切る。
写真:根元部分は分割して太さをそろえる
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根元部分は、洗う前に入れた切り込みに添って4分割、もしくは2分割して太さをそろえる。
写真:水気を取り除く
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キッチンペーパーなどで軽く押さえ、水気を取り除く。
写真:保存袋に入れ、冷凍庫で保存する
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ジッパー付き保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じたら、金属トレイに載せて冷凍庫で保存する。保存期間は約1か月。
Point

江口さん「小松菜を冷凍すると、茎と葉の固さの違いが生のときほど気にならなくなるので、茎と葉を分ける必要はありません。次に使う料理が汁物や炒め物なら、解凍は不要。おひたしなど、ゆでた小松菜と同じように使うときは、自然解凍して水気を軽くしぼるだけで手軽に使えます。火を通さないので、栄養素を残せるのもうれしいところ。

金属トレイを使うのは、凍るまでの時間を短縮するためで、おいしさが損なわれにくくなるのでおすすめです。なお、水分が残ったまま凍らせると霜が付いて水っぽくなるので、できるだけ取り除くようにしましょう」

すぐに食べるなら、
乾燥に気を付けながら
冷蔵保存

小松菜に限らず葉物野菜の多くは乾燥に弱いため、買ってきたままの状態で冷蔵庫に入れるとしなびてしまいます。早めに食べきるとしても、ひと手間かけて冷蔵保存しておけば、みずみずしさをキープすることができますよ。

●生のまま冷蔵保存

写真:キッチンペーパーで包む
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洗った小松菜を乾いたキッチンペーパーで包む。
写真:ラップに包み、立てた状態で保存する
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ラップ、もしくはビニール袋に包み、立てた状態にして野菜室に入れる。保存期間は5~6日。
Point

江口さん「小松菜は冷えすぎても良くないので、冷蔵室より野菜室での保存がおすすめです。立てて保存するのは、育っているときと同じ状態の方が長持ちするから。乾燥が苦手とはいえ、水分が残ったままラップなどに包むと蒸れて傷みやすくなるため、まずは乾いたキッチンペーパーで包みましょう。このとき、洗った後の水気を残しておけば、適度な水分を保つことができます」

新鮮でおいしい
小松菜の選び方

小松菜に限らず、葉物全般に言えることですが、緑が濃くてツヤのあるものがおすすめ。葉がピンとして、肉厚のものを選びましょう。黄色くなった葉が混じっている場合は避けたほうがベター。

写真:鮮度の比較

一見、太さが違うだけのように見えますが、上の小松菜は葉の一部がしおれ、黄色く変わっている部分も。下のように葉先までシャキッとしたものを選びましょう。

鍋で、フライパンで、
電子レンジで……。
小松菜の基本のゆで方

おひたしや和え物、煮魚の付け合わせなど、ゆでた小松菜はいろいろな場面で活躍します。ここでは鍋、フライパン、電子レンジを使った基本のゆで方をご紹介。それぞれにメリットがあるので、好みや状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。

●調理前のひと工程:水に浸してパリッとさせる


小松菜を加熱する前に済ませておきたいのが、根元を水に浸してしばらくおくこと。小松菜の洗い方で紹介したように、茎の乾いた部分を薄くカットした上で水に浸すのがおすすめ。シャキッとした食感が残せるので、ひと手間かける以上においしく仕上がりますよ。

写真:加熱前に根元を水に浸す
Point

江口さん「洗った小松菜を5~10分、水に浸しておくだけで、しんなりしていた葉もピンと元気になります。ゆでるなら関係ないのではと思うかもしれませんが、みずみずしい状態の小松菜のほうが、しんなりしたものより食感よく仕上がるのでぜひお試しいただきたい方法。なお、新鮮な小松菜なら、そのままゆでても構いません」

●鍋でのゆで方(まるごとゆでる)

写真:沸騰したお湯に塩を入れる
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鍋にたっぷりの湯を沸かし、1~2%の塩分濃度になる量の塩を加える。写真は1リットルの水に対し、塩小さじ2。
写真:根元を湯に入れる
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洗った小松菜の根元を湯に入れ、そのまま10秒ほどおき火を通す。
写真:30秒ほどゆでる
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葉先まで湯に入れ、再沸騰したら30秒ほどゆでる。
写真:ざるに引き上げて広げ、冷ます
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ざるに引き上げて広げ、冷ます。
写真:粗熱が取れたら軽く絞る
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粗熱が取れたら軽く絞り、食べやすい長さ(4~5cm)に切る。
Point

江口さん「たっぷりのお湯でゆでた小松菜は、苦みが抑えられてスッキリした味わいに仕上がります。みずみずしさが残っているのも特徴ですね。

ゆでるときに塩を入れるのは、色止めと甘みを引き出すため。全体の火の通りが均一になるよう、根元から先にゆでます。再沸騰後のゆで時間となる30秒は、あくまで目安。色が鮮やかになったらゆで上がりの合図なので、様子を見ながら引き上げましょう。

アクが少ない小松菜は、ゆで上がってから冷水に取る必要はありません。むしろ、水にさらすとうま味が流出してしまいますが、一方で辛みや苦みも抜けるため、お子さんでも食べやすくなるというメリットもあります。なお、水気をしぼるときは、力の入れすぎに注意。しぼりすぎるとうま味も抜けてしまうので、少し水分が残っているくらいに抑えてください」

●フライパンで蒸し煮する方法(カットして蒸し煮)

写真:フライパンに1cmほど水を入れて沸かし、切った小松菜を入れる
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フライパンに1cmほど水を入れて沸かし、洗って食べやすい長さに切った小松菜を入れる。
写真:塩を振りかける
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水500mlに対して小さじ1/4の塩を全体にふりかける。
写真:塩を行き渡らせるために、全体を混ぜる
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塩を行き渡らせるために、上下を返すようにして全体を混ぜる。
写真:ふたをして30秒、蒸し煮にする
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ふたをして30秒、蒸し煮にする。
写真:ざるにあけ、広げて冷ます
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ざるにあけ、広げて冷ます。
写真:両手で軽く押さえて水気をしぼる
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粗熱が取れたら、両手で軽く押さえて水気をしぼる。
Point

江口さん「水の量が少なく、うま味をしっかりと閉じ込められる蒸し煮。沸かす時間が短縮できるのも助かりますね」

●電子レンジで加熱する方法(カットして加熱)

写真:洗った小松菜を耐熱皿に入れる
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洗って食べやすい長さに切った小松菜を、耐熱容器に入れる。
写真:ひとつまみ分の塩を全体に振りかける
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ひとつまみ分の塩を全体にふりかける。
写真:ラップをかけ、電子レンジで加熱する
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ラップをふんわりとかけ、電子レンジで加熱する。加熱時間は600Wの場合、小松菜100gに対して1分30秒で、200gなら3分が目安。
写真:全体を混ぜる
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全体を混ぜ、しんなりしていなかったり、鮮やかな緑色に変わっていなかったりする場合は、様子を見ながら再び電子レンジで30秒ずつ加熱する。
Point

江口さん「電子レンジの良いところは、やはり時短できること。火を使わないので、つきっきりで見ている必要もありません。今回、ご紹介した3通りの方法をまずは試してみて、それぞれの違いを知っておくと、今後、使い分けやすくなるのでおすすめです」

小松菜に関する疑問は
FAQで解消!

よく口にしている小松菜ですが、意外と知らないこともあるもの。ここでは、そんな小松菜に関するあれこれを、一問一答形式でご紹介します。

Q.小松菜とほうれん草の違いは?

A. どちらも同じ緑黄色野菜ですが、科目は別物。小松菜はキャベツやブロッコリーなどと同じアブラナ科で、ほうれん草は砂糖の原料にもなるテンサイなどと同じヒユ科となります。また、江戸時代から栽培されてきた東京発祥の小松菜、海外から伝わってきたほうれん草と、ルーツも異なる野菜です。アクの少ない小松菜に対し、ほうれん草にはアクの成分でシュウ酸が含まれているため、調理の際は下ゆでが必要。加熱すると茎までやわらかくなる一方、小松菜はシャキシャキとした歯ごたえが残りやすいのも特徴です。

Q.小松菜は生でも食べられる?

A. アクが少ない小松菜は、生でも食べられる野菜。加熱したものよりもピリッとした辛味と、シャキシャキした食感が強まります。スムージーに入れたり、サラダや即席の漬物にしたりするのがおすすめ。なお、生で食べる場合は、よりしっかりと洗うようにしてください。

Q.「ちぢみ小松菜」を見かけたけれど、何が違うの?

A. 冬の寒さにさらすことで、糖分や栄養価を増やす「寒締め栽培」でつくられた小松菜。通常の小松菜よりも葉に厚みがあり、ギュッと縮まってちりめん状のシワが入っています。甘味が強くておいしいので、見かけたらぜひ一度、味わってみてください。

定番の和食から
意外な取り合わせまで。
小松菜おすすめレシピ3選

小松菜は下ゆでがいらず、火の通りが早くもあるので、手早くつくれるレシピがいっぱい!その中から、特におすすめの3品をご紹介しましょう。

油揚げと小松菜の相性抜群!
『小松菜の煮びたし』

写真:小松菜の煮びたし

シャキシャキ小松菜と、やわらかな油揚げの対比が楽しめます。油揚げからジュワッと染み出るだしもおいしい!

江口さん「かつお節からとっただしと油揚げ、ふたつのうま味で小松菜のおいしさがいっそう際立つ1品。だしをとる手間はそれほどかからないので、この工程はぜひ端折らずにつくってください。小松菜は水に放ってから調理するので、シャキシャキした食感も魅力」

ごま×しょうゆの香りで食欲倍増!
『小松菜のごま和え』

写真:小松菜のごま和え

ごはんがすすむことうけあいのお総菜。シンプルな味付けだからこそ、調味料にはこだわるのがおすすめです。

江口さん「しょうゆ、みりんだけでなく、ごま油も使うのがこのレシピのポイント。コクが出てごまの香りが強くなるうえに、ボリュームもアップして食べ応えのある副菜に仕上がっています。すりたてのごまを使うと、さらに香りよくおいしくなりますよ」

+チーズは意外なようでおいしい組み合わせ
『小松菜のじゃこチーズ炒め』

写真:小松菜のじゃこチーズ炒め

炒めたじゃこのカリカリ食感がアクセント。チーズのコクを感じながらも、実はあっさりペロリと食べられます。

江口さん「和洋中を問わず使える小松菜は、オリーブオイルやチーズとも相性ぴったり。さらにしょうゆを加えることで、全体の味がまとまっています。じゃこをカリッと香ばしく仕上げるのが、おいしくつくるコツ」

いろいろな料理に使える
小松菜を
もっと活用してください!

江口さん「クセがなくて使い勝手の良い小松菜は、栄養価も高く、ぜひたくさん食べていただきたい野菜。私も野菜の中では一番使うと言えるくらい、わが家での登場頻度が多く、オリーブオイルでにんにくと炒めたペペロンチーノ風などもよくつくっています。火を入れる時間が短ければシャキシャキ、長ければトロトロの食感に仕上がるのも小松菜の魅力なので、いろいろな料理に挑戦して好みの食感を探ってみては?そのときは、今回、ご紹介した保存方法や下ごしらえのコツも、ぜひ活用してくださいね」

ホームクッキング編集担当より

小松菜はほうれん草と違って扱いがラクだなと思っていましたが、それ、単にラフに扱っていただけでした(汗) 水に浸すという下処理をしたら、なんとまあ生き生きパリッとして、見違えるような姿。仕上がりの食感も違います。そして、やる気のある時に(?)切って冷凍しておいたら、イザというときに自分を褒めたくなるかもしれませんよ。ぜひ!(編集長・杉森)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2024年2月17日

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