里芋の皮を簡単にむくコツ★
生・ゆでる・レンジ別に
皮のむき方を解説
ぬめりのある里芋の皮むきは、 「包丁を持つ手がすべって怖い」「ぬるぬるが手につくとかゆみを感じる」など苦手と思っている人も少なくないはず。そこで、簡単な里芋のむき方や下ごしらえを、料理家の江口恵子さんに教えてもらいました。さらに、長持ちや時短調理がかなう保存方法と、おすすめの里芋レシピもご紹介します!
つるっと簡単!
ゆでてから里芋の皮をむく
ゆでてから里芋の皮をむく手順
- 流水やボウルに張った水で、里芋を洗う。
- 里芋の中央に包丁の刃を当てて、ぐるりと一周し、皮に切れ目を入れる。皮をむきやすくするためのものなので、刃は浅く入れれば十分。
-
鍋に里芋を入れて、1~2cmくらいの高さに水を注ぎ、ふたつまみの塩を加え、ふたをして中火にかける。
沸騰したら10分~15分ほどゆでて火を通し、取り出す。ふたをすることで蒸気が回って里芋が加熱されるので、水は少量で十分。ゆでるときに塩を入れるのは、うま味と甘みをアップさせるためです。
- 乾いたふきんやキッチンペーパーなどで包むようにして持ち、指を押し付けながら、外側へすべらせるようにして皮をむく。
江口さん「皮をむいた里芋に泥や土がつくと落ちにくいので、泥つき、土つきの里芋はしっかり皮から洗っておきましょう。特に、皮に生えた毛のような「毛羽(けば)」の部分は、特に土が入り込みやすいので念入りに。
また、里芋が熱いうちの方が皮むきはしやすいですが、火傷には十分注意してください。ふきんやキッチンペーパーを使うなど、手や指が直接触れないようにしましょう。もしくは、素手で持てる程度まで冷ましてからでも良いと思います」
見た目もきれい!
ゆでずに生のまま皮をむく
ゆでずに生のまま里芋の皮をむく手順
- 洗った里芋の水気をキッチンペーパーなどで拭き取り、新聞紙やざるの上に間隔を空けて並べ、乾かす。
- 里芋の上下を浅く切り落とす。
- 側面が六面になるように幅を調節しながら、縦方向へ厚めに皮をむく。
江口さん「里芋のぬめりは、完全に乾燥させることで抑えられます。扱うときにつるつる、ぬるぬるしないだけでなく、手のかゆみ防止にもなります。里芋の皮はゴツゴツしており、身の部分まで変色している場合もあるもの。見た目をきれいに仕上げるために、皮は厚めにむくと良いですね」
時間優先ラクラク!
レンジでチンして里芋の皮をむく
レンジ加熱してから里芋の皮をむく手順
- 耐熱容器(水が少ないので耐熱皿でも可)に、水洗いして中央に切れ目を入れた里芋を入れて、約1cmの高さまで水を注ぐ。
- ラップをふんわりかけ、電子レンジで加熱する。加熱後、乾いたふきんやキッチンペーパーで包むようにして持ち、皮をむく。
江口さん「今回は6個の里芋を600Wで4分加熱しました。これを目安として、竹串を刺して火の通りを確認しながら少しずつ加熱してみてください。電子レンジで温めると、里芋がシワシワになりやすいので、今回のように少量の水につけるようにして」
里芋の保存方法と、
おいしい里芋の選び方
里芋の保存方法
<常温保存>
常温保存の場合、泥や土を落とす必要はありませんが、水分が残っていては途端にいたみやすくなります。
手に入れてからすぐ使い切らない場合は、袋から出して軽く乾かし、新聞紙で包んで風通しの良い場所で保存しましょう。保存期間は約1カ月と、皮つきの状態では最長です。
気温が高い時期やキッチンに涼しい場所がない場合は、同じように新聞紙で包んだ状態で冷蔵庫の野菜室保存が安心です。
調理時の手間を省きたいなら、加熱する前に皮をむいてカットしてから、水を張った保存容器に入れて冷蔵保存を。水は毎日交換し、2~3日で使い切ります。
冷凍保存をする場合も、皮むきとカットを済ませておくと、調理時に解凍する手間が省けて便利です。1カ月を目安に使い切りましょう。
江口さん「冷凍した里芋は、煮っころがしのように食感まで楽しみたいメニューには不向き。そのため、長持ちさせるためというより、少し余ったからストックをつくる、くらいの気持ちで冷凍保存して、みそ汁などに使うのが良いと思います。バターしょうゆで炒めてもおいしいですよ」
おいしい里芋の選び方
江口さん「いびつな形をした里芋は、土の中で石などにあたりながら成長した場合があります。発育中にストレスがかかり、味が落ちた可能性もあるので、できれば避けて」
定番の煮物からサラダまで。
里芋のおすすめレシピ3選!
しょうゆとの相性も抜群の里芋。粘りのある独特な食感が楽しめる煮物はもちろん、サラダにしてもおいしくいただけます。数ある里芋レシピから、人気の3つをピックアップして、作り方をご紹介しましょう。
調味料は2つだけ!
『里芋の煮っころがし』
江口さん「里芋の煮物はさまざまなレシピがありますが、こちらはだしも使わずに、しょうゆとみりんだけのシンプルな味付けです。だからこそ、里芋のおいしさを存分に感じられるというもの。里芋が旬を迎える秋から冬にかけて、ぜひ試していただきたいですね」
魚介のうま味を里芋に
含ませた
『里芋といかの煮物』
『里芋のサラダ』
里芋の栄養素をおいしく摂取できる副菜レシピも!
皮むきの手間が減れば、
里芋の魅力が思う存分
味わえる!
江口さん「ねっとりほくほくの食感が魅力の里芋ですが、食卓に登場する回数は少なくなりがちかもしれませんね。この原因は、ぬるぬるして皮がむきにくいことだと思います。でも、ぬめりをとりたい場合は、洗った後にしっかり乾かせば扱いやすさのハードルがぐっと下がるので、ぜひトライしてみてください。里芋のおいしさは、シンプルな料理ほど伝わるもの。蒸してしょうゆや塩だけで味わうのもいいですね」
教えてくれた人 江口恵子さん
料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。
撮影/金田邦男
公開:2022年10月20日 最終更新:2024年9月30日
ホームクッキング編集担当より
芋の中では珍しく水溶性食物繊維を含み、そのねばりは栄養の観点でも注目の里芋。切り目を入れてゆで、皮がきれいにするっとむけたときの達成感はなかなかのもの。ぜひゆでたてにしょうゆひとたらしで食べてみてください。うま味が加わって、しみじみおいしいです。(編集長S)