レタスの保存方法と選び方!
長持ちさせる方法を紹介
メイン料理の付け合わせやサラダに使われる定番野菜、レタス。ちぎるだけで食べられる手軽さもあって、常備しておくと重宝する一方で、あまり日持ちしないため、新鮮なうちに食べきれないという方も多いかもしれません。そこで、レタスの鮮度をできるだけキープする方法を、料理家の江口恵子さんに教えてもらいました。選び方のコツやおすすめレシピのポイントも聞いたので、ぜひ活用してみてください!
乾燥予防と芯の処理が
ポイント!
レタスをまるごと
保存する方法
約95%が水分のレタスは、買ってきた状態のまま保存すると、すぐに葉がしんなりしてしまいます。鮮度を長持ちさせるには、いかに乾燥を防ぐかがポイント。2~3日で食べきる場合は、ラップを十字にかけて全体を包み、水分をキープしましょう。さらに長持ちさせたい場合は、ラップで包む前に芯につまようじを刺したり、小麦粉を塗ったりという方法があります。
ラップを十字にして包む手順
- レタスにラップをかけて1周させる。かける方向は縦横のどちらでも良い。
- 一度で全体を覆えないときは、包んだレタスを90度回転させて、もう1枚ラップを用意してぐるりと包む。
- 芯を下にして、冷蔵庫で保存する。
芯につまようじを刺す手順
- 芯につまようじを3本ほど刺してから、ラップで包んで冷蔵保存する。(だいたい3~4本がめやす。レタスのサイズにあわせて。)
芯に小麦粉を塗る手順
- 芯の表面を2~3mm、切り落とす。
- 切り口全体に小麦粉を塗る。
- 小麦粉が芯から出る水分となじみ、ふたとなった状態。
江口さん「レタスは芯から育つため、芯につまようじを刺せば成長を止められます。もうひとつの小麦粉を使う方法は、芯にふたをして水分が抜けるのを防ぐというもの。どちらかの処理をしたうえでラップをかければ、冷蔵で約1週間保存できるので、やりやすい方法で試してみてください」
使いかけレタスの
保存方法(冷蔵・冷凍)
まるごとのレタスより日持ちしないのが、カットされたレタス。断面が広い分、抜ける水分量も多くなるので、キッチンペーパーも使ったしっかりとした乾燥対策が必要です。ちぎったレタスも適切に保存して、できるだけ鮮度を保ちましょう。
1/2カットのレタスを
冷蔵保存する手順
- 断面にキッチンペーパーをかぶせる。
- キッチンペーパーを霧吹きなどで湿らせる。(1)の工程で、あらかじめ湿らせたペーパーを使っても可。
- キッチンペーパーごとラップで包み、芯を下にして冷蔵庫で保存する。
江口さん「まるごとのレタスはカットせず、1枚ずつはがして使う方が長持ちしますが、先に切ってしまったときや、1/2サイズのものを購入したときは、この方法で保存を。2~3日経つと鮮度が落ち、断面が赤く変色し始めるので、早めに食べきりましょう。ラップの代わりにジッパー付き保存袋に入れてもいいですが、ギリギリのサイズだとレタスが圧迫されて傷みやすくなるので、大きめのものを選んでください」
ちぎったレタスを
冷蔵保存する手順
- 食べやすい大きさにちぎったレタスを、保存容器に入れる。
- レタスがかぶる程度まで水を入れ、ふたをして冷蔵庫で保存する。保存期間は3~4日で、水は毎日交換を。
江口さん「事前に下ごしらえを済ませておきたいときは、ちぎった状態で冷蔵保存しましょう。水にひたしておけば酸化が防げ、赤く変色しにくくなります。ただし、水にひたる時間が長いとビタミンが流出してしまうので、可能なら翌日には食べきって」
レタスを冷凍保存する手順
レタスを冷凍保存する場合は、ちぎったものを使います。水気を切ってジッパー付き保存袋に入れたら、空気を残したまま口を閉じて冷凍庫へ。保存期間は約1か月です。
江口さん「凍らせたレタスは細胞が壊れ、シャキシャキ感がなくなるので、生食はおすすめしません。炒め物にしてもベチャッとするので、食感が気にならないスープなどに使うのがおすすめです」
新鮮なレタスの選び方と
下ごしらえのコツ
●選ぶときのチェックポイント
レタスの切り口や破れた部分は、時間が経つにつれて色が赤く変わってくるもの。また、葉全体に張りがあり、葉先がしんなりしていないことも、新鮮さの証です。シャキシャキした食感が好きなら、葉に厚みのあるものを選びましょう。
まるごと1玉の場合は、葉はふんわりと柔らかく巻いていて、詰まった感じのしないもの。ただし、持った時に軽すぎるもの、スカスカした印象があるものは育ちがあまい可能性もあります。1/2カットの場合は、切り口が変色しておらずみずみずしく、中がスカスカしていないものを選んでください。
江口さん「赤く変色するのは、レタスに含まれているポリフェノールの酸化によるもの。空気に長くさらされた結果で、食べても害はありませんが、もし気になるなら取り除いてください。なお、芯の断面は赤くなっても切り落とせばよいので、新鮮なものを探すなら、葉の状態なども合わせた全体を見るようにしましょう」
●下ごしらえのコツ
まるごとのレタスにはたいてい、外葉が付いているもの。食べていいのか迷ってしまいがちですが、汚れている場合は取り除くようにしましょう。また、最初に芯を抜いておくと、一枚ずつはがしていく手間はありません。
サラダのように生のままで使う場合は、食べる直前に氷水にさらすと歯ごたえがアップ。水から引き上げたらしっかり水を切って、ドレッシングの味が薄まらないようにしてください。
江口さん「袋やフィルムで包装されているレタスの外葉は、汚れた部分を取り除けば食べられます。生だと固いので、小さく切ってスープやチャーハンなどに入れましょう。一方、むき出し状態のレタスは、外葉が包装代わりなので、取り除くようにしてください」
レタスの芯を抜く手順
- レタスを持ち、両手の親指で芯をグッと押す。
- 芯を持ち、左右にひねって外す。
- そのまま芯を持ち上げて抜く。
江口さん「指で押して、ミシッと音がしたときがひねるタイミング。抜いた穴から水を入れると全体に水が回って自然にはがれるので、1枚ずつ外す手間が省けます。なお、芯を抜いたレタスは時間が経つと、その部分が傷みやすくなるので、まるごと使い切るときだけ抜くようにしましょう。
ちなみにレタスは金気を嫌う野菜と言われ、包丁で切るとすぐに切り口の色が変わってしまいます。包丁で切るよりも手でちぎったほうが変色スピードも遅くなり、味もよくからむのでおすすめですが、細かく刻んで使う場合は、できるだけ食べる直前に切るようにしてください」
ふきん1枚でできる水の切り方
水にさらした後は、しっかり水を切るのが大事。サラダスピナーが便利ですが、持っていない場合はこの方法がおすすめです。
- ざるで軽く水気を切ったレタスを、ふきんの上に載せる。
- レタスをふきんでふんわり包む。
- ざるを使うときのように上下に振る。時々、向きを変えると良い。
- 水切り完了。適度な水分とシャキッとした食感が残っている。
江口さん「氷水に浸けて、十分に水切りもすると、レタスは本当においしくなります。しっかり水切りできていないものと比べると、”これまでのは何だったの?”と思うくらい。味の差が想像以上に出る工程なので、ぜひ実践してください。また、水切りのときはふきんの代わりにキッチンペーパーを使ってもOKです」
まだまだ知りたい!
レタスの保存に関するFAQ
レタスに関するちょっとした疑問はここで解決しましょう!
Q.レタスを常温で保存する方法はありますか?
A.
レタスは高温多湿に弱く、常温保存はおすすめできません。短期間(1~2日程度)であれば風通しの良い涼しい場所で保存できますが、冷蔵庫での保存が望ましいです。
Q.レタスを保存する前に洗ったほうがいいですか?
A.
レタスは保存前に洗うと水分が残りやすく、痛みの原因になります。保存する前に洗うのは避け、使用する直前に洗うようにしましょう。
Q.レタスを長持ちさせるコツは?
A.
乾燥を防ぐことはもちろん、冷涼な気候を好むため冷蔵庫で保存しましょう。また、カット済みのものは鮮度が落ちるのも早いので、すぐに食べきらない場合は玉のまま購入しましょう。
クセのない味で
和風味にも合う!
レタスを使った
おすすめレシピ3選
生でいただくのはもちろん、加熱してもおいしいレタス。彩りがきれいで火が通りやすいので、時短料理にも一役買ってくれます。ここでは数あるレシピの中から、おすすめの3品をピックアップ。手早くできるものから試しにつくって、いつもとはひと味違ったレタス料理を楽しんでみませんか?
玉ねぎの香りと
はちみつの甘みが好相性の
『シンプルレタスサラダ』
江口さん「レタスは小さすぎると食べ応えがなくなり、水っぽくもなるので、大きさを意識してちぎりましょう。はちみつと玉ねぎの風味がマッチするドレッシングは、水っぽくならないよう、食べる直前にかけて。レタスの水切りもしっかり行って、おいしくいただきたいですね」
にんにく&ねぎも入って
パンチあり!
『豚バラレタスチャーハン』
江口さん「フライパンいっぱいに材料を入れると水分が飛びにくくなるので、パラパラにしたいなら一度にたくさんの量をつくらないようにしましょう。レタスの外葉を使うと、歯ごたえがあって色鮮やかな仕上がりに。また、レタスは余熱だけで十分火が通るので、フライパンに入れて味をととのえたら、すぐに火を消すのがおすすめです」
オリーブオイルと
しょうゆが香る
『レタスの無敵漬け
しらすのせ』
江口さん「味付けは、しょうゆとオリーブオイルのおいしい組み合わせ。メインを張る料理ではありませんが、和洋中を問わない副菜として活躍します。ちぎってポリ袋でもむだけと、とても手軽につくれる点も魅力」
レタスの栄養素をおいしく摂取できる副菜レシピも!
リーフ、立ち、
カッティング。
バリエーション多彩な
レタスの種類
レタスとひと口で言っても、種類はさまざま。日本で一般的なのは、ここまでで紹介してきたタイプですが、これにも「玉レタス」「ヘッドレタス」という名前が付いています。その他、身近なタイプのレタスを以下にまとめてみました。
●リーフレタス(例:サニーレタス)
玉レタスのように結球しないタイプで、サニーレタスやグリーンリーフなどが含まれます。葉が大きくやわらかいため、肉などを巻いたり、料理の下に敷いたりする使い方にも向いています。
●立ちレタス(例:ロメインレタス)
玉レタスほどではないものの、ゆるく結球するタイプです。代表的な品種は、シーザーサラダでもよく見かけるロメインレタス。歯ごたえがあるので、加熱料理にもおすすめの種類です。
●カッティングレタス(例:サンチュ)
葉をかき取って収穫されることから、「かきチシャ」とも呼ばれるタイプ。焼き肉屋さんでおなじみのサンチュが代表的で、チョレギサラダなどでもよく見かけます。食感はやわらかく、くせのない味わい。
●サニーレタスの冷蔵保存
レタスの仲間で、使われる頻度が高いサニーレタス。保存の際は寝かせるより、育っていた状態にした方が長持ちするので、サニーレタスが立つ形状の容器を使いましょう。容器の下に湿らせたキッチンペーパーを敷き、サニーレタスを立ててポリ袋をふわりとかぶせたら、しばるか輪ゴムで軽く口を閉じて冷蔵庫へ。保存期間は約1週間です。
●サンチュの冷蔵保存
同じくレタスの仲間のサンチュですが、他のレタスと違って1枚ずつはがされ、パック入りで販売されているものが大半。この場合は洗って水気を切り、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。保存期間は2~3日。
日持ちしにくいレタスは、
正しい保存方法で
長持ちさせて
江口さん「生でも加熱してもおいしいレタス。味にもクセがなく、さまざまな料理に活用できるうえに、1年中出回っている野菜なので、レパートリーを増やしておくと助かりますよね。でも、鮮度が落ちてしんなりしたレタスでは、せっかくのおいしさも半減するというもの。適切な保存方法を覚えて、長持ちさせながら上手に使いきりましょう」
教えてくれた人 江口恵子さん
料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。
撮影/金田邦男
公開:2023年6月20日
ホームクッキング編集担当より
すぐに食べられて便利だけど、気づいたらしんなりしている…という印象のレタス。野菜室に入れる前のひと手間で最後までシャキシャキ食感を楽しめるのでぜひお試しください。葉の固さによって向いている料理があることも知っておけば、レパートリーも広がりそう。固めの外葉はチャーハンに、はぜひ覚えておきたいですね!(編集担当I)