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簡単にできる
飾り切り5選!
方法や手順を
わかりやすく解説

2021.12.23

野菜などの食材をさまざまな形に切る「飾り切り」。華やかさがグンとアップすることから、おせちのようなお祝い事の料理にも多く使われる手法です。一見、難しそうに感じますが、実は包丁一本で簡単にできるものもたくさん。その中でも今回は、野菜を使って簡単にできる「飾り切り」のアイデア、その方法や手順などを、料理家の江口恵子さんにわかりやすく教えていただきました。

にんじんの飾り切り
「ねじり梅」

ねじり梅

定番の「梅の花」にひと手間加えるだけでこの華やかさ!

手順

1
にんじんを5~7mmの厚さで輪切りにし、星形に切る。星形に切る前に包丁で筋をつけておくと切りやすい。
2
星の先端5か所を丸くなるように切り、花の形にしていく。
※この段階で「梅の花」が完成する。
3
花びらと花びらの間に厚さ1/3程度まで包丁を垂直に入れ、放射状に切り込みを入れる。
4
花びらの中央から3の切り込みまで、30°ほど倒した包丁を入れて斜めに切り落とす。5か所すべて同様に。
5
皮をむきながら花のフチや中央、裏側を面取り(角をかるくそいで丸みをつける)して形を整える。
Point

江口さん「皮をむきながら形を整えるので、洗ったらそのまま輪切りにしましょう。最初は五角形にするのが一般的ですが、馴染みのある星形の方が切りやすいと思います。梅の形にカットできる抜き型を使えばさらに手軽。面取りもしなくていいぐらいキレイにできますよ(笑)。

手順3の切り込みは浅すぎたり、包丁を斜めに入れたりすると切り落としにくくなり、形もいびつになりがちなのでご注意ください。

なお、面取りなどで切り落とした分は、スープやハンバーグ、炒め物などに入れたり、ミキサーにかけてドレッシングにしたりと、無駄なく活用して」

大根の飾り切り
「扇」

お正月やひな祭りなどのイベントにもぴったり!

手順

1
5~7mm程度の厚さで輪切りにし、3等分に切る。
2
2:3の割合で目測を付け、包丁の先で筋をつける。2に割った側はさらに1/2、3に割った側はさらに1/3に分けて包丁で薄く筋を付け、全体を5等分にする。
3
筋に沿って、厚みの1/3~1/2程度まで切り込みを入れる。
4
それぞれの山の中心から30°ほど倒した包丁を入れ、切り込みに向かって斜めに切り落とす。
5
皮をむきながら両端を面取りした後、扇の様に下端を切り落とす。
Point

江口さん「最初の3等分では、大きさが違ってもそれほど気にならないので、慎重になる必要はありません。手順2で5等分にするとき、端から順に分けていくと最後が細くなったり太くなったりしがちですが、2:3で始めれば多少の誤差で済みます。

美しく仕上げるコツは、切り込みを深めに入れること。立体感が増すので、よりキレイに見せられます」

れんこんの飾り切り
「花れんこん」「雪の結晶」

花れんこん

穴を活かして切るだけでキレイな花のできあがり!

手順

1
れんこんを輪切りにし、穴と穴の間をV字に切り取る。
2
皮をむきながら穴のカーブに沿って角を丸く整え、花の形にする。
Point

江口さん「穴に合わせて切るだけと簡単なのに、見映えがするのが”花れんこん”。輪切りにするときの厚さは料理に合わせ、酢の物なら薄めに、煮物なら1cmほどにしましょう。細々した作業ですが、包丁の刃先を立てるようにすると切りやすくなります。ペティナイフを使うのもおすすめですね」

雪の結晶

SNS映えすること間違いなし!

手順

1
れんこんを輪切りにし、穴の外側を切り取る。
2
全体のバランスを見ながら、外側に残った部分をV字に切り取る。残った皮をむく。
Point

江口さん「穴の外側を切り取るときは、角度がポイント。外に向かうほど狭くなるように切ると、より雪の結晶らしくなります。”花れんこん”同様、輪切りの厚さは使う料理に合わせて。薄切りのものはサラダにしたり、サッと素揚げしてカレーに添えたりするのもおすすめです」

かぶの飾り切り
「菊花かぶ」

菊花かぶ

簡単なのに超絶技巧感がすごい!

手順

1
皮をむいたかぶを、並べた割り箸の上に置き、3mm程度の間隔で切り込みを入れる。
2
90°回転させ、同様に3mmほどの感覚で切り込みを入れる。
3
十字に切って4等分し、甘酢漬けなどに。オリーブオイルと塩をかけ、ピンクペッパーを添えて、“洋風”菊花かぶにするのも良いアイデア。
Point

江口さん「かぶの面が平らになるようにして茎を切り落とすと、安定感が出て切り込みがスムーズにできます。切り込みが浅いと広がりにくくなるので、包丁は割り箸に当たるまで入れましょう。ただし、箸に届かない両端に深く包丁を入れると切り落としてしまうので、浅めを心がけて。90°回転させた後は、崩れないようにゆっくり切ってください。

かぶは崩れやすいので火を通さず、生のままで。定番料理は甘酢漬けですが、今回使ったようにオリーブオイルにもよく合います。4等分にしたかぶと小さじ1のオリーブオイル、小さじ2の酢、少々の塩をまとめてビニール袋に入れ、空気を抜いて縛ってからかるくもんで10~15分くらい置くと、さらにおいしくいただけますよ」

お料理に添えたり
組み合わせたり、
もっと楽しく!

ポトフやシチュー、お弁当など普段のメニューもパッと華やかに

写真
お正月などのハレの日はもちろん、日常でも活用できる飾り切り。煮物や鍋物、ポトフやシチューなど、和洋問わずさまざまな料理に使えますし、お弁当に入れればフタを開けた瞬間から楽しい気分になることでしょう。野菜が苦手なお子さんも、きっと喜んで食べてくれるはず。
いつものメニューに特別感をプラスできるので、おもてなしのときにもぜひ活用してください。

組み合わせでアイデアが広がる!

写真
ここまででご紹介した以外にも、手軽にできる飾り切りはさまざま。たとえば、にんじんやきゅうりをピーラーで薄く切ってくるくる巻くだけで、いつもと違ったサラダに。かわいくて楽しい見た目は、メイン料理の付け合わせにももってこいです。また、大根と人参を使って、抜き型で抜いた花を入れ換えれば、紅白でおめでたい飾り切りが完成!
大根と人参は羽子板の形に切って、お正月のお雑煮に入れるのもおすすめです。
写真
江口さん「くるくる巻くだけのサラダは、薄切りにしたもの2枚を少し重ねて巻きましょう。層が増えて華やかに見える上に、よりシャキシャキした歯触りも楽しめます。羽子板形の大根とにんじんは、大きさを揃えるのがコツ。輪切りにした大根の直径に合うように、人参は縦に切りましょう。

なお、飾り切りをするときは、先が尖っていてよく切れる包丁が必須。慣れないうちはまな板に置いて切った方が、バランス良く仕上げることができます。お子さんのいるご家庭なら、親子で一緒に飾り切りを楽しんでみては? 自分のつくったものを親が”おいしい”と食べる姿は、子どもの自己肯定感を育み、食育にもつながると思います」

ホームクッキング編集担当より

初心者でもチャレンジしやすい飾り切りをまとめてみました。撮影現場では江口さんのスムーズな手さばきから生まれた飾り切りを見ては「すごい!」「かわいい!」の声が。少しいびつになってもそれもまた味わいです。お正月はもちろん、普段の日でもちょっぴりうれしいことがあったときには飾り切りをした野菜を料理に加えてみてください。おいしい料理に華を添えます!(編集長S)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家研究科、フードスタイリスト、All About「家事」ガイド。インテリア&フードスタイリスト。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「ナチュラルフードクッキング」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男