Today's Menu

おいしくなる理由を大解説!
小田真規子さんの
「基本の和ごはん」
レシピレッスン

同じお料理なのにプロのレシピでつくるとなんでおいしいんだろう……と思ったことはありませんか? そのレシピの裏には、おいしくなる理由があったんです。WEBコンテンツ「基本の和食 おうちの和ごはん」から人気の5品をピックアップして、料理研究家・小田真規子さんにおいしい理由と調理のコツを教わるイベントを実施! レシピ本『キッコーマン特選 基本の和ごはん』にも掲載されているレシピです!

レシピの裏には
ひとつひとつ理由があるんです

WEBコンテンツ「基本の和食 おうちの和ごはん」のレシピ監修を一手に担う小田真規子さん。おなじみの和の料理も、小田さんの手にかかるとグッとおいしくなるから不思議! 今回は、その理由やコツを教えてもらいます。

「切り方、火の通し方、加える順番。レシピには必ず理由があります。和食は、しょうゆとみりんの料理といっても過言ではありません。それぞれの調味料の得意技を盛り込むことで、おいしい料理が出来上がります」

「鶏の照り焼き」の肉に
小麦粉をまぶすのは、
なんで?

照り焼きは失敗が少なく料理初心者でもおいしくつくれる料理です。でも、プロの調理法はひと工夫があるんです。コツは、肉を大きめに切り、小麦粉をまぶして、ピーマンと一緒に焼くと、とってもジューシーに仕上がります。

「ジューシーに仕上げるために、肉汁を逃したくない。だから、肉に小麦粉をまぶしてから焼きます。小麦粉のおかげで、おいしい焼き色もつき、タレもよく絡みます。また、付け合わせの野菜選びにも理由があります。焼くときにピーマンから出てくる水蒸気で肉がふっくら焼けるだけでなく、ピーマンの苦みやシャキシャキの食感が料理にキレを生みます。ねぎやしいたけだと全部が甘うまジューシーになりすぎてしまうんですね」

「照り焼きという料理名ですが、焼きで7割火を入れて、最後に調味料で「煮る」ようにして火を通します。これも肉をジューシーに仕上げるコツです」

鶏の照り焼きのレシピを「おうちの和ごはん」でチェック

「ぶり大根」のぶりを
大根の上にのせるのは、
どうして?

味をしみ込ませたいからしっかり煮たい。でも、煮過ぎるとぶりがパサパサに……。そんな悩みも、大根とぶりを、時間差で、しかも上下2層にすれば解決!

「まずは大根だけ約20分煮ます」

「その大根の上に、下味をつけたぶりをのせます。ぶりが煮汁に完全に浸らないようにして『蒸す』ように煮るために2層にするんです。一度やってみてください。身がふっくらやわらかく仕上がりますよ」

ぶり大根のレシピを「おうちの和ごはん」でチェック 

「きんぴらごぼう」の
ごぼうを「なます切り」
にするのは、なぜ?

きんぴらごぼうもシンプルな料理ですが、ここにも秘密が。まずは、ごぼうやにんじんの切り方にひと工夫がありました!

「ごぼうやにんじんは斜め切りにしてから棒状にします。これは和食の『なます切り』という切り方です。両端に皮が残って斜めになるだけで、食感と味のなじみ具合、そして仕上がりも変わります」

「調味料はフライパンの中央をあけて加えてしっかり加熱。ジュワッと煮詰めてから絡めることが香ばしく仕上がるコツです」

「お皿へザザーッと入れず、箸とスプーンで少しずつていねいに盛りつけます。中央が高くなるよう山型に盛るとおいしそうに見えますよ」

きんぴらごぼうのレシピを「おうちの和ごはん」でチェック

「大学いも」を少ない油を
回しかけてつくる理由は?

揚げ油の中に入れるのではなく、油を回しかける理由は……単に油が少量で済むだけではないんです!

「ここでも『なます切り』に。さつまいもを斜めに切ってから棒状にすれば、すべてに皮がつき香ばしく仕上がり、おやつではなくおかずになる大学いもになります」

「並べたさつまいもに油を回しかける理由は、さつまいもの甘みを引き出す温度帯である60~70℃をゆっくり通過させたいから。高温の揚げ油に入れてしまうと一気に熱くになり、さつまいも本来の甘みを十分に引き出せません」

「みりん・砂糖・しょうゆ+揚げ油を少量加えて強火で煮詰めます。少量の揚げ油を加えることで、全体がからみやすくなり、また香ばしく仕上がります。水飴を使わないから、家にある調味料だけでつくれますよ」

大学いものレシピを「おうちの和ごはん」でチェック

「かきたま汁」に
水溶き片栗粉って必要?

卵が鍋底に固まったり、汁がにごったり……簡単そうで難しいかきたま汁。水溶き片栗粉を使う理由がわかれば大丈夫!

「だし汁に水溶き片栗粉を加えてとろみをつけておくと、卵が沈みません。回し入れたら触らず、卵に火が通るまでグッとがまん。混ぜるのは、最後に箸でゆっくり全体をひと回しするだけでいいんです」

かきたま汁のレシピを「おうちの和ごはん」でチェック

「基本の和食、おうちの和ごはん」では、これら5品のほかにも、小田さん監修のもと100以上のレシピを掲載。おいしくなる理由や調理工程などを、ていねいに紹介しています。ぜひチェックしてみてください!

小田さんと一緒に3品の
和ごはんをつくりました!

イベントでは、はじめに小田さんが解説しながら5つの料理をデモンストレーション。その後、みんなで「鶏の照り焼き」「大学いも」「かきたま汁」を調理していきました。

解説しながらも手を休めることなく、1時間足らずで一気に5品つくり上げてしまった小田さん。その手際の良さに会場からも拍手が!

調理実習タイムは、小田さんがテーブルを回って直接手ほどき。その場で一緒に火の通り加減なども確認できました。

照り焼きもツヤツヤ、かきたま汁も澄んでいて美しく仕上がっています。ぶり大根とごはんも加わり、和ごはん定食の完成です! みんなで、楽しく、おいしくいただきました。

〜参加者のみなさんの感想〜

「時短・簡単の料理レッスンはたくさんありますが、基本の和食を教えていただくことがなかったのでとても新鮮で学びになりました」
「ごぼうのきんぴらが切り方ひとつ違うだけで、こんなにおいしくなるなんて思ってもみませんでした」
「一生モノの知識で、若いうちに学べてよかったです。もっと料理を頑張りたいと思いました」

料理レッスン、調理実習、試食まで、内容満載・お腹もいっぱいの2時間のイベントは大盛況のうちに閉幕。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

ホームクッキング担当ライターより

なぜその工程が必要なのかを頭でも理解できると、納得しながら調理でき、記憶に刻まれます。「身に付く」とはこういうことか!と思わされるレシピ&料理レッスンでした。ぜひ皆さんも「おうちの和ごはん」ページを覗いて、わが家の定番になっている料理を見直して、さらにおいしくつくってください。

キッコーマン特選-基本の和ごはん-「おいしい理由」がよくわかる
写真:小田真規子さん

教えてくれた人 小田真規子さん

料理家・フードディレクター・栄養士。スタジオナッツを主宰し、徹底的な研究と試作による検証で、誰でもおいしくつくれる料理レシピを数多く生み出す。雑誌、テレビ、新聞などのメディアで活躍するかたわら、その信頼感から企業のメニュー開発などのアドバイスを依頼されることも多数。近著に『午前7時の朝ごはん研究所』(ポプラ社)、『元気なシニアの野菜たっぷり たんぱく質も 2品献立』(NHK出版)などがある。スタジオナッツ インスタグラムID studionutsnutsm パプリカマキコfoodshot_kusudama 料理フォトくすだま

撮影/巣山サトル 文/峯田亜季
※商品情報は本記事公開時点のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2025年4月17日

こちらもおすすめ

  • すべて
  • レシピ
  • 食材のコツ
  • 健康
  • 食ネタ
  • イベント
記事一覧を見る ホームクッキング通信トップへ