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カルシウムを多く含む食品は?
摂り方のコツや体への
働きを管理栄養士が紹介!
おすすめレシピも

カルシウムを多く含む食品は?摂り方のコツや体への働きを管理栄養士が紹介!おすすめレシピも

丈夫な骨や歯をつくるイメージが強い「カルシウム」ですが、実は筋肉や神経の働きなどにも関わる栄養素。日本では年齢・性別を問わず、ほとんどの人が不足しがちだと言われているため、意識して摂る必要があります。そんなカルシウムの働きや上手に摂るコツ、多く含まれる食べ物などの情報をまとめました。カルシウムがたっぷり摂れるレシピとともにご紹介します。

カルシウムの働きは?
人体に最も多く含まれる
ミネラル

カルシウムの主な働き

「カルシウムはミネラルのひとつで、体重の1〜2%ほどが体内に存在しています」と語るのは、管理栄養士で料理研究家の牧野直子さん。聞けば、体の中にあるミネラルの中では最も量が多いそうです。

牧野さん「そのうちの約99%は骨や歯に含まれる“貯蔵カルシウム”で、骨や歯などをつくる材料となります。残りの約1%は血液や筋肉、神経などに含まれる“機能カルシウム”。こちらは体のさまざまな機能を調節する働きをしています。たとえば血液凝固や筋肉の収縮に関わるほか、神経の興奮を抑制するといった役割も担っています」

画像:カルシウムの働き

カルシウムの特徴

牧野さん「カルシウムの特徴のひとつが、含まれる食品によって吸収率が変わってくること。乳製品のような動物性食品に含まれるものは吸収率が高い一方で、青菜など植物性食品に含まれるものはそれほど高くありません」

では、カルシウムをできるだけ効率良く吸収する方法はあるのでしょうか?牧野さんによると、同時に摂る栄養素が大切だとか。

牧野さん「ビタミンDには、カルシウムの腸からの吸収を助ける働きがあります。そして、取り込んだカルシウムを骨に吸着させ、流出を妨ぐのがビタミンK。さらに、カルシウムを定着させて骨の強さを保つマグネシウムも大切で、厚生労働省が策定する『日本人の食事摂取基準』をもとに考えると、カルシウム2:マグネシウム1の割合で摂るのが望ましいとされています」

反対に、吸収率を低下させるケースもある?

牧野さん「カルシウムに限らずミネラル全般に言えることですが、一部の食物繊維やアルコールの大量摂取、喫煙などは吸収率を下げる要因となります。普段の食事で食物繊維を摂りすぎることはほぼないので、アルコールや喫煙には注意したいところですね」

カルシウムが不足するとどうなる?

成長過程にいる子どもが丈夫な骨や歯をつくるためにも、カルシウムは不可欠。もちろん、大人にとっても大切な栄養素です。

牧野さん「カルシウムが不足すると、骨などに蓄えられた貯蔵カルシウムが使われるようになります。そのため、骨や歯、爪などがもろくなるリスクが高まり、骨折しやすくなったり骨粗しょう症につながったりすることもありますね。

カルシウムは食べ物から摂取するものなので、食事を抜いたり、ご飯やパン、麺などの主食(炭水化物中心の食事)に偏っていたりすると、摂る機会を逃してしまいます。また、ダイエット中だからと野菜ばかり食べている人や、乳製品が苦手な人も不足しがちなのでバランス良く食べることが大切です。乳製品が食べられない場合は、たとえば料理にスキムミルクを混ぜる方法もおすすめ。特にカレーやシチューなどの煮込み料理なら、違和感なく食べられると思います」

カルシウムを摂りすぎるとどうなる?

牧野さん「カルシウムを摂りすぎると亜鉛や鉄などの他のミネラルの吸収が妨げられたり、あるいは便秘になることがありますが、通常の生活で摂りすぎることはほとんどありません。厚生労働省の『国民健康・栄養調査』を見ても、長年にわたり不足傾向が続いています。

ただし、サプリメントやカルシウムを多く含む健康食品などを利用している場合は、説明書きにある摂取量を超えないように注意しましょう。過剰摂取の目安は1日あたり2,500mgで、それ以上を摂ると高カルシウム血症などのリスクが高まります」

カルシウムを多く含む食品

カルシウムは牛乳をはじめとした乳製品のほか、小魚や大豆製品、青菜などに多く含まれています。ここでは特に多く含む食品をまとめたので、1日3回の食事でこれらをこまめに摂るようにしましょう。

乳製品
牛乳、ヨーグルト、チーズなど
カルシウム吸収率の良い動物性食品。ヨーグルトは間食にも適しています。

小魚・魚介類
しらす、いわし丸干し、煮干しなど
小魚類は骨ごと食べることで、カルシウムをしっかり摂取できます。

大豆製品
木綿豆腐、厚揚げ、納豆など
カルシウムとマグネシウムが一度に摂取できる食品群です。牛乳が苦手な人には豆乳もおすすめ。

野菜類
小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤなど
カルシウム含有量が多いのは、主に青菜類。中でも小松菜はトップクラスです。

その他海藻や種実類など
ひじき、ごまなど
保存しやすい海藻や乾物は常備を。ごまは和え物にすれば、カルシウムをたっぷり摂れます。

画像:カルシウムが多い食品(100gあたり)

1日に必要なカルシウムの
摂取量はどれくらい?

1日の推奨摂取量

下記の表にもあるように、『日本人の食事摂取基準(2025)』では、カルシウムの摂取推奨量は成人男性で約750〜800mg、成人女性で約600〜650mgとされています。

牧野さん「年齢や性別、体の大きさなどで必要とされるカルシウムの摂取量は変わってきます。成長期だとより多く必要になるのは、骨などの成長が活発な時期だから。

なお、女性の場合は更年期を迎えると女性ホルモンの分泌が減少し、骨密度が低下して骨粗しょう症につながる可能性があります。“カルシウムを1日800mg摂取すれば骨粗しょう症リスクが抑えられる”と言われたりもしますが、これを満たしている人はあまりいないはず。年を重ねるほど食が細くなり、さらに不足しがちになるので、800mgを目標として意識的に摂取したいですね。

また、ここには記載されていませんが、妊娠中、あるいは授乳中の方は優先的に赤ちゃんへ栄養が届きます。妊娠中はカルシウムの吸収率が良くなるとはいえ、カルシウムが不足していると、お母さん自身の骨や歯が弱くなる可能性があるので、積極的に摂るようにしましょう」

画像:カルシウムの食事摂取基準

カルシウムが不足しがちな人・
意識して摂取したい人

不足しやすい人

これまでの牧野さんのお話にもあったように、食事の回数が少ない人やバランスが悪い人、乳製品が苦手な人などはカルシウムが不足しがち。また、成長期の子どもや更年期を迎えた女性、妊婦の人、授乳中の人なども意識的に摂取したいところです。

とはいえ、カルシウムを多く含む食べ物を摂ればいいと思いながらも、どんな献立にすればいいか悩んでしまうもの。そこで牧野さんに、1日800mgのカルシウム摂取を目標とした献立の一例を教えてもらいました!ポイントとともにご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

画像:1日でカルシウム摂取800mgを目指す献立例

こちらが牧野さん考案の1日のメニュー。牧野さんによると、これらの献立の基本は「朝昼晩のすべてに主菜として、たんぱく質源が使われていること」だそうです。

牧野さん「朝食を乳製品と相性の良いパンにすることで、朝からしっかりカルシウムが摂れます。目玉焼きにした卵は、ビタミンDが含まれていてカルシウムの吸収を助ける食材。骨の土台となるたんぱく質でもあります。

昼食は外食を想定した献立。外食でカルシウムが多い食材を選ぶのは難しいですが、カルシウムとマグネシウムが含まれる豆腐をメインにすれば、1日分の1/4の量を摂ることができます。麻婆豆腐のほか、冷や奴や納豆といった大豆製品を選ぶのも良いですね。微々たるものですが、スープのわかめからもカルシウムが摂れます。

間食もできるだけ乳製品が使われているものを選ぶと、不足分を補いやすいです。牛乳が入った飲み物のほか、カップのヨーグルトなども良いでしょう。ナッツも少量ですが足しになります。

夕食は鮭がメイン。骨ごと食べるわけではないためカルシウムは期待できませんが、吸収を促すビタミンDが豊富な食材です。カルシウムが摂れるものに変えるなら、イワシのつみれやさば缶などにするとよいでしょう。副菜には、カルシウムの多い小松菜のごま和えを。小松菜はカルシウムに加え、ビタミン類も一度に摂れるおすすめ食材です。カルシウムが含まれるごまやしらす、油揚げとみそのほか、ビタミンDが豊富なまいたけも取り入れました」

カルシウムを
効率よく摂るための
摂り方のコツ

摂りやすい食材から摂取する

牧野さん「カルシウムの吸収率が良いのは乳製品。中でも牛乳は気軽に飲めるのでおすすめですが、苦手な場合は牛乳とほぼ同じ栄養価のヨーグルトを多めに摂ってみては?もちろん、スキムミルクを混ぜるのもよいですね。また、原材料が異なるので純粋な置き換えにはなりませんが、牛乳の代わりに豆乳を飲むのもひとつの方法。豆乳は牛乳に比べてカルシウムの量が少ないものの、マグネシウムをバランス良く含む食材のひとつです」

もちろん、豆乳以外の大豆製品にも、マグネシウムとカルシウムが含まれています。

牧野さん「中でも厚揚げやがんもどきは水分量が少なく、一度に食べる量で見るとカルシウムがより多く摂れます。そのまま食べられる納豆や、サラダのトッピングやスープの具材に使いやすい蒸し大豆などもよいですね」

カルシウムの吸収を高める栄養素と一緒に摂る

牧野さん「吸収を助けるビタミンDは、魚やきのこ類に多く含まれています。主菜が肉に偏りがちなこともありますが、肉にはあまり含まれないので、手軽に使えるさば缶などもうまく使いたいですね。また、きのこ類や卵なども取り入れると良いでしょう」

夜、しっかり眠るのも大切

牧野さん「日中よりも夜のほうが、カルシウムの吸収率は高まることがわかっています。この時間帯に十分な睡眠をとるとカルシウムの代謝も促されるので、夜はしっかり眠るようにしたいですね。とはいえ、カルシウムを摂りだめておくことはできないので、夕飯時も意識しつつ、一日3食の中でこまめに摂るようにしましょう。

画像:カルシウムの上手な摂り方

なお、丈夫な骨をつくるなら、適度な運動も大切。骨は刺激を与えることで強くなると言われているので、座るよりは立つ、立つよりは動かすことを考えましょう。また、皮膚に紫外線が当たると体内でビタミンDがつくられるので、適度な日光浴もおすすめです」

カルシウムに関する疑問、
FAQでお答えします

カルシウムにまつわる疑問を、一問一答形式でまとめました。

Q. 牛乳はカルシウムの吸収率が高い?

A. 牧野さん「もともとカルシウムが豊富な牛乳は、吸収率の高い食材。牛乳に含まれるたんぱく質の成分は、カルシウムの吸収を促進することがわかっています。とはいえ、ただ牛乳を多く飲むだけではマグネシウムが足りていないため、せっかく摂ったカルシウムの多くが十分に活かされない可能性も。カルシウムとマグネシウムは2:1の割合を心がけましょう」

Q.食品に含まれるカルシウムは、加熱すると減る?

A. 牧野さん「カルシウムは加熱しても減りません。気にせずに、いろいろな料理をつくってみてください」

Q.摂取するのに効果的なタイミングはある?

A. 牧野さん「カルシウムは夜のほうが吸収されやすいものの、一度で多量に摂ることはできないので、3食に分けて摂るのがおすすめ。時間を気にせず、カルシウムが摂れるメニューにしましょう」

Q.カルシウムをサプリで摂る場合の注意点を教えて。

A. 牧野さん「複数のサプリメントから摂ったり、カルシウムを多く含む健康食品などと一緒に摂ったりしている場合は過剰摂取に注意を。摂取量は1日2,500mgを超えないようにしましょう」

カルシウムがたくさん
摂れるレシピを紹介!

鮭としめじのクリームシチュー
【やさしいコクうま人気の味】

写真:鮭としめじのクリームシチュー

牧野さん「1日に必要なカルシウム量の約1/4が補えるレシピです。牛乳をそのまま飲むのが苦手な方でも、料理に使えばカルシウムを補いやすくなります。鮭、しめじに含まれるビタミンDには、カルシウムの吸収を助ける効果も。なお、鮭はかじきに代えてもビタミンDが補えます」

厚揚げとチーズのさっと焼き
【フライパンでこんがり】

写真:厚揚げとチーズのさっと焼き
牧野さん「厚揚げは大豆製品の中でもカルシウムが豊富です。乳製品には少ないマグネシウムが補えるのもポイント。カルシウムの多いチーズをのせてさっと焼くだけの簡単調理で、1日に必要なカルシウム量の約2/3が補えます」

小松菜としらすのふわふわ卵炒め

写真:小松菜としらすのふわふわ卵炒め
牧野さん「炒めるだけのお手軽レシピです。牛乳・乳製品を使っていない副菜ですが、1日に必要なカルシウム量の約1/3が補えます。小松菜は青菜の中でカルシウム量がトップクラス。しらすはカルシウムが豊富なうえ、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれますし、卵もビタミンD源になります」

カルシウムが多い食べ物レシピはこちらにも!

カルシウムが摂れるサプリ副菜レシピ

プラスアルファの栄養素で
カルシウムも上手に活かそう

牧野さん「丈夫な骨を保つには、カルシウムをきちんと摂取することが大事。といっても、ただカルシウムだけ摂っていればいいということではありません。骨はカルシウムだけでできているわけではなく、たんぱく質という土台と結びついて成り立つもの。カルシウムの吸収を助けるビタミンDや骨からの流出を抑えるビタミンK、定着させるマグネシウムなど、さまざまな栄養素が必要なので、それぞれ意識して摂りたいですね。今回、ご紹介した食品群の中で自分が不足していると思ったものがあれば、まずはそこを強化してカルシウムの摂取量を増やしていただければと思います」

ホームクッキング編集担当より

カルシウム=牛乳さえ飲んでいれば大丈夫と思っていましたが、たんぱく質をはじめビタミンDやマグネシウムなどさまざまな栄養素をバランスよく摂ることが「骨活」に欠かせないことに納得しました。カルシウムは熱を加えても壊れず、チーズや豆腐などそのまま食べられるものも多いので、いつものごはんにプラスするだけで手軽なのがうれしいポイント。次の一食から、カルシウムONしていこうと思います!(編集担当・市川)

写真:牧野直子さん

教えてくれた人 牧野直子さん

管理栄養士、料理研究家。「スタジオ食(くう)」主宰。女子栄養大学在学中より、栄養指導や食育活動に携わり、保健センターや小児科での栄養相談、食生活についてのアドバイスにも定評がある。作りやすく、おいしくて元気になる料理が好評。雑誌、新聞、テレビ、料理教室や健康セミナーなどで幅広く活躍中。

撮影/金田邦男
公開:2026年3月31日

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