しょうが(生姜)を
長持ちさせる保存方法は?
正しい方法や
人気レシピ3選など紹介
さわやかな香りと辛みで、調味のベースや薬味に重宝するしょうが。ただ、少量で事足りる料理が多いため、使い切れずうっかりダメにしてしまった経験のある人も多いのでは。でも、しょうがは本来長持ちする野菜です。正しい保存方法に加え、皮のむき方や切り方、おすすめのレシピといったしょうがにまつわる基本を、料理家の江口恵子さんに教えてもらいました!
下処理の基本!
しょうがの皮むきと切り方
皮のむき方
- コブのように突起した部分を切り落とす。
- 包丁やスプーンを手前に滑らせるようにして、皮をこそげ取る。
- 汚れや傷みのあるところを取り除く。
- レシピによっては、皮をすべてむく。
江口さん「しょうがの香りや味の成分は皮のすぐ下にあるので、風味を残したいなら汚れた部分だけ取り除きましょう。上品に仕上げたいときや、見た目をキレイにしたい場合は、すべてむくようにするといいですね。
最初にコブを切り落とすのは、この境目に土や湿気がたまりやすく、そのままではカビや傷みの原因になるからです。
ちなみにこの切り落としたコブの大きさは、レシピでよく見かける“しょうがひとかけ”とちょうど同じくらいです。ひとかけの目安は親指の第一関節までくらいなので、参考にしてください。切り落とした部分もスライスすれば薬味として無駄なく使い切れます。」
しょうがの繊維の見分け方
しょうがのせん切り
- 1mm程の厚さで薄切りにする。こちらは繊維に沿って切っているところ。
- 少しずつずらしながら重ねる。
- 端から1mm程の間隔で切っていく。
江口さん「薄切りにしたしょうがはきっちり重ねると、厚みが出て切りにくくなるので、少しずつずらして重ねましょう。みじん切りにする場合は、(3)の工程からさらに直角に切っていってください。
繊維に沿うせん切りは食感がシャキッとして、香りが抜けにくくなります。一方、繊維を断ち切る場合はクタッと柔らかく仕上がり、香りも控えめに。どちらにするかは、好みやつくる料理で使い分けましょう」
【冷蔵保存】
しょうがは水に浸けると
長持ちする!
- ボウルにためた水や流水を使い、親指の腹でこすって汚れを落とす。保存容器のサイズに合わせて入れやすいようにカットする。
- 保存容器にしょうがを入れて完全に浸るまで水を入れてふたをしたら冷蔵庫へ。水は毎日替えるのがポイント。
江口さん「雑菌が残った状態だと傷みやすいので、よく洗ってから保存しましょう。容器は水がこぼれないよう、ふた付きのものがおすすめです。ぬめりが出ないように毎日水を替えれば、1か月は保存可能。ただし、しょうがをすりおろしてギザギザの面を残したままだと、水に浸けて保存しても傷みやすいので注意してください。ちょっとだけおろして使いあとは保存する場合は、必要な分だけカットしてからおろすようにしましょう」
【冷凍保存】
使いやすい状態で
凍らせるのが便利!
小分けして冷凍
おろして冷凍
- 円を描くようにしてすりおろすのがコツ。
- 金属トレーの上にラップを広げ、おろしたしょうがを薄く平らな板状にして包む。ジッパー付き保存袋に入れ、冷凍庫に入れる。
江口さん「皮付きのまますりおろすと、味も香りも強くなるのでおすすめです。円を描くようにおろすのも繊維を断ち切りより香りを強くするため。また板状にして凍らせておくと、使いたい分だけパキッと割ればよいのでラクです。せん切りやみじん切りにしたしょうがも、板状にして冷凍保存がおすすめです」
とっても簡単!
おいしいしょうがの選び方
しょうがを使った
人気レシピ3選
大人気定番レシピ!
『豚肉のしょうが焼き』
江口さん「豚肉は最初に強火で焼き目をつけると水っぽくならず、見た目にもおいしそうに仕上がりに。豚肉もしょうがも疲労回復効果が期待できるので、疲れているときにおすすめ。薄切りの玉ねぎや短冊切りにしたにんじんを加えると、ボリュームアップします」
「豚肉のしょうが焼き」のレシピ詳細へ
さわやかな香りとやさしい
味わい『しょうがご飯』
江口さん「しょうがをできるだけ細く切ることで、食感が良くなります。おにぎりにして、行楽のお供にするのもいいですね。甘辛いいなりずしのすし飯に入れると、味わい豊かになります。」
「しょうがご飯」のレシピ詳細へ
しょうがの風味をプラス!
『牛肉とごぼうのしぐれ煮』
江口さん「牛肉の切り落としは、脂身が適度に入ったものだとうまみが増し、仕上がりもしっとりします。煮詰めて汁気をなくすので、お弁当向けのおかずですね。しょうがのせん切りは、しょうが好きなら少し太めにすると、よりさわやかな風味が増して、さっぱりとしておいしくなります。」
「牛肉とごぼうのしぐれ煮」のレシピ詳細へ
江口さん「主役にはならないしょうがですが、入れることで味や香りに奥行きが出て料理の仕上がりがアップします。使うタイミングもポイントのひとつ。すがすがしい香りや辛みを生かすなら調理の後半に、くさみを取りたいなら調理の前半にするなど、いろいろと試してみてください」
教えてくれた人 江口恵子さん
料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。
撮影/金田邦男
公開:2022年6月23日
ホームクッキング編集担当より
ホームクッキングでも多くのレシピの材料に「しょうが……1片」とでてきます。一度に大量に使うわけではなくても、かなりの頻度で使用する素材ですよね。きちんとした保存をして無駄なく使い切る、心して実践したいと思いました。保存と少し目線が変わりますが、先生からは「しょうゆに漬けておくのもいいですよ」とのこと。しょうがもおいしくなり、しょうゆにも風味がつくそう。しょうがしょうゆもぜひお試しください。(編集長S)