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大根の保存方法と保存期間
★人気の大量消費レシピ4選も紹介

秋から冬に旬を迎える大根は、寒くなるにつれて食べたくなる鍋物やおでんなどにも欠かせない野菜。生でも加熱しても使えるので何かと重宝しますが、「丸ごと1本買ったら使い切れなかった」……なんてこともありがちですよね。そんな「もったいない」を防ぐには、いろいろな保存方法やレシピを知ることが大事! ということで、料理家の江口恵子さんに教えてもらいましょう。

大根を無駄にしない
3つのコツ

その1
鮮度が高いものを選び、
必要な分だけ買う

上は鮮度が低く、下は鮮度が高い。葉の部分がピンとしているか、皮にはりがあるかなど違いがある。

鮮度の高い大根は全体的にみずみずしく、皮につやとはりがあるのが特徴です。葉がピンとしているのも、新鮮な証拠。葉がカットされていたり、半分に切られていたりするものは、切り口ができるだけ乾燥していないものを選ぶとよいですね。

その2
正しく保存する

ラップなどに包まず、そのまま冷蔵庫で1週間保存した大根。切り口が乾燥し、皮の色も黒ずみ始めているのが見てとれます。

使いかけの大根を何気なく冷蔵庫の野菜室に放り込み、後日、食べられそうにない状態で発見した経験はありませんか?きちんと保存されていないとあっという間にしなびてしまいます。正しい保存方法を知っていれば、冷蔵、冷凍のほか、季節によっては常温でも長持ちさせられます。

その3
レパートリーを増やして、
葉も皮も余すことなく
食べきる!

大量消費できるメニューを知っておくと、大根1本は意外とすぐに食べきることができます。例えば、すりおろしてみぞれ鍋をつくったり、しゃぶしゃぶのつゆに入れたりするのもおいしいものです。

また、漬物にするのもおすすめです。後ほどしょうゆやポン酢に漬ける方法を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

また、むいた皮はきんぴらに、葉は刻んで塩もみしてしょうゆで味付けすると、ごはんのおかずや混ぜごはんにしておいしくいただけます。皮も葉も捨てるのはもったいない!おいしくいただきましょう。

大根保存の基本は、
3つに切る&葉は
切り落とす!

丸ごと1本の大根は、メインとも言える真ん中部分を多めにとって3つにカットを。

丸ごと1本を冷蔵保存する場合は、そのままだと冷蔵庫に入らないため、大根らしいみずみずしさが一番ある真ん中部分を多めにとって3つに切り分けます。このほか、ラップをぴっちりかけるなど、乾燥を抑えることも大切です。
大根の葉を切り落とす

葉を切り落とすときは、茶色くなった部分のすぐ下に包丁を入れて。

保存方法問わず、欠かせないのが葉の部分のカット。葉が少しでも残っていると大根自体の栄養や水分を奪って育とうとするので、おいしさを損なう前に切り落としましょう。
Point

江口さん「葉がある上の部分は甘味があってサラダなどにおすすめされることも多いですが、繊維がしっかりしているので火を通さないと繊維が口に残ってしまいます。なので、生で食べるよりみそ汁の具などに使うのがおすすめです。

煮物やおでんなど、大根らしいレシピにぴったりなのがが真ん中。

先端は、辛味が強い部分。繊維もしっかりしていますが、すりおろすことで分断されるので、大根おろしにすると良いでしょう。

部位ごとに適した食べ方を知っておくと、スーパーなどでカット済みの大根を選ぶときにも役立ちますよ」

【冷蔵保存】
覚えておきたい基本の保存法

ここからは、保存方法ごとのコツや手順、メリットなどを紹介します。まずは冷蔵保存。カットした大根はもちろん、下ごしらえをしたものや丸ごと1本の保存方法なども必見です。

カットしてラップで包んで
保存。保存期間は2週間

前述のとおり、冷蔵保存する大根は基本的にカットしたものを。乾燥を抑えるためにラップをぴったりとつけて包み、立てた状態にして野菜室で保存します。保存するとき自然に近い環境の方が長持ちするので、土の中で育っているときと同じように立てるのがおすすめ。

丸ごと1本を保存。
保存期間は2~3週間

丸ごと1本の状態で保存したい場合は、葉を落としてから新聞紙に包んで野菜室へ。寒い時期なら日が当たらないベランダなど、気温の低い場所での常温保存も可能。ラップで包んでもいいですが、新聞紙よりも通気性が悪く、冷蔵庫以外だとカビが生える可能性があるので注意しましょう。

下ごしらえして保存。
保存期間は1週間

下ゆでを済ませてから水に浸して冷蔵保存する方法も。煮物やおでん、そぼろ煮などをつくるときに、調理時間が短縮できるというメリットもあります。
1
大根は皮をむかずに、厚さ約2cmの輪切りにする。
2
皮を厚め(3mmほど)にむく。サイズが大きければ、皮をむいてから半月切りにしても良い。
3
鍋に大根、大根が浸かるくらいの水、ひとつまみの塩を入れる。中火にかけ、大根に透明感が出るまでゆでる(目安時間:約15分)。
4
バットなどの容器に、粗熱をとった大根が浸かるくらいの水を入れる。水がこぼれないようにふたをして、冷蔵庫で保存する。
Point

江口さん「時間があるときはこの方法で保存しておくと、後々の調理の手間が省けて便利です。大根が太い場合は、輪切りではなく半月切りにすると火の通りが早くなります。

皮の近くは繊維が縦に入っているので、皮を厚くむいて取り除きましょう。また、皮をむいた後に面取りをしておくと、見た目がキレイになるのでおすすめですよ。大根の場合は煮崩れしにくいのですが、面取りには煮崩れを防ぐ効果もあります」

上記2の手順の後、角を包丁でむき取るように面取りするというアイデアも。

【冷凍保存】
食べやすい大きさに切ったり
おろしたりしてから

大根を買ってから2~3週間で食べきれない場合は、冷凍しましょう。今回ご紹介する方法なら、どれも1か月程度は保存可能。

みそ汁に使いやすい短冊切りと、煮物、炒め物向きのいちょう切りの保存は、切り方からていねいに解説します。さらに、細かく切った葉の部分や、大根おろしを冷凍保存する方法など、サッと使いやすくて便利なアイデアもたっぷり紹介します。

短冊切りの大根を保存

1
皮をむき、4cmくらいの長さに切ってから1cm幅の板状に切り、約2mmの厚さにカットする。
2
ジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜き、平らな状態にして口を閉じる。金属製のトレーにのせて冷凍庫で保存する。

いちょう切りの大根を保存

1
皮をむいてから約7mmの厚さで輪切りにし、半分に切る。
2
さらにもう半分に切って四等分にする。
3
短冊切りの冷凍保存と同じように、ジッパー付きの保存袋に入れてから金属製のトレーに載せて冷凍庫へ。
Point

江口さん「大根を冷凍すると少しやわらかい食感になりますが、ここで紹介した短冊切りやいちょう切りなら、小さく切っているのでそれほど気にならないでしょう。

冷凍することで細胞が壊れるので、火の通りが早くなって時短につながるのが冷凍保存のメリットのひとつですが、冷凍保存だけのためにわざわざていねいに切った上で、レンジやお湯で加熱するのは非効率。何かをつくる時ついでに多めに下ゆでし、余ったものを冷凍するといいでしょう」

葉の部分を冷凍保存

1
切り口の乾いた部分を切り落としたら、反対側の根元も切り落とす。
2
流水で洗ってから、約5mm幅に刻む。
3
ボウルに移して塩ふたつまみを入れ、ギュッとつかむようにしてもむ。
4
ボウルの上で握り、しっかり水気を絞ってから、ジッパー付きの保存袋に入れる。
5
空気を抜き、平らな状態にして口を閉じる。金属製のトレーにのせて冷凍庫で保存する。
Point

江口さん「塩もみすることで水分と一緒に苦味も抜け、色もきれいに仕上がります。水分にはえぐみがあるので、しっかり絞りましょう。この状態で冷蔵保存もできますが、その場合は2~3日で食べきるようにしてください」

すりおろして冷凍保存

1
大根を皮付きのまますりおろしたら、ボウルにセットしたザルに移して、水気を切る。
2
大根おろしをジッパー付きの保存袋に入れる。少量ずつ使いやすいように、箸などでおさえて区切る。
3
金属製のトレーにのせて、冷凍庫へ入れる。
Point

江口さん「冷凍保存した大根おろしは、忙しいときにすぐ使えて便利です。保存袋に入れて箸で筋をつけておくと、パキッと折って少量ずつ使えます。大根おろしが少し余ったときは、一度に使う分量をラップでくるんだり、たくさんあるなら保存袋に入れたりと使い分けても良いです。自然解凍してから使ってください。

すりおろした時点で繊維が壊れているので、冷凍しても食感に大きな違いはありません。ただ、水気を切ろうとして絞りすぎると食感がパサパサになるので、軽く押さえる程度にしましょう。

また、皮の近くにある甘味を残すためにも、皮はむかないままおろして保存するのがおすすめです。皮近くの繊維質はすりおろせば細かくなるので、食べても気になりません」

おいしく食べきる!
大根の大量消費レシピ4選

大根はしょうゆやみりんの甘辛味との相性も良く、主菜としても副菜としても日本の食卓を彩ってくれます。ここでご紹介するレシピも、和食が中心。箸が止まらなくなるこってりした味付けで、大根の大量消費をお手伝いします!

香ばしさもごちそうに!
「大根とおかかの
めんつゆしょうが煮」

かつおのうま味たっぷり。青ねぎの代わりに、みじん切りにした大根の葉を散らしても。

江口さん「だしつゆで味付けが手軽な一品。下ごしらえに電子レンジを使うので、調理時間を短縮できるのもいいですね。ごまとおかかという、まるでふりかけのような組み合わせだけあって、ごはんとの相性も抜群です」

うま味の相乗効果が
楽しめる、
「ごま油香る!豚バラ大根」

大根をひと噛みすると、豚バラのうま味がジュワッ!ごま油の香りも食欲をそそります。

江口さん「豚バラ肉をしっかり炒めることで、脂のコクが出てよりおいしく仕上がります。薄切りを使うので、ブロック肉のように下ゆでの必要がなく、パッとつくれるのもいいですね」

旬食材を使った
冬のごちそう!
「ぶり大根」

甘辛味でごはんが止まらない!脂の乗ったぶりとの相性も抜群。

江口さん「大根を煮る前に下ゆですると、味が染み込みやすくなります。このレシピもゆでる代わりに電子レンジで加熱するので、手軽に時短できるのがポイント。ぶりは切り身を使っていますが、あらでつくるのもおいしいので、あらを見かけたときはぜひ挑戦してください」

しょうゆ1本で
このおいしさ!
「大根の無敵漬け」

「しぼりたて生しょうゆ」と和えて、冷蔵庫で15分程漬け込むだけ。調味料は1本。手間いらずでおいしい、まさに敵なしのレシピ。

江口さん「大根の切り方を変えて食感の変化を楽しむのもおすすめです。薄いイチョウ切りにすると、やわらかい口当たりになり、短冊切りのほか、太めの拍子木切りにすると大根のシャキシャキした食感を楽しめ、細めにするとやわらかくやさしい口当たりになりますよ」

正しく保存すれば
無駄もなし!
大根1本をおいしく
食べきろう

江口さん「合わせる食材ごとの変化も楽しめる大根。余らせてしまうことが多いとの声もありますが、多くの人が好きな甘辛味がよく合ううえに、サラダやみそ汁、煮物といった日常的な献立にも活躍する野菜です。しかも葉物野菜より日持ちして使い勝手がいいので、上手な保存で長持ちさせて、さまざまなレシピでおいしく食べきってくださいね」

ホームクッキング編集担当より

賢く使い切りたい野菜の代表格、大根を詳しく先生に解説いただきました。ひと工夫で無駄をなくせますね、ぜひ参考いただけたら。ご紹介した「無敵漬け」は当社の「しぼりたて生しょうゆ」の特徴であるさらりとしたううまさ、鮮やかな色を生かした、超シンプルなメニューです。よい箸休めになりますから、ぜひお試しください。(編集長S)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2022年11月16日 最終更新:2024年4月19日

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