
ステーキの焼き方
フライパンで簡単!
プロ直伝の失敗しないコツ
おいしいステーキの焼き方のポイントは、肉を常温に戻さず冷たいまま強火で焼き、「焼いては休ませる」を繰り返して余熱でじっくり火を通すこと。特別な道具は不要で、フライパン1つあれば家庭でも専門店のようなミディアムレアに仕上がります。この記事では、『大人の肉ドリル』などの著書を持つフードアクティビスト・松浦達也さんに教わった、初心者でも失敗しないステーキの焼き方を手順ごとに解説します。焼き加減4種類の違いと見分け方、ステーキ肉の選び方、厚さ・部位別のコツ、おすすめのつけ合わせまで、ステーキ作りの疑問はこの記事だけで解決できます。
フライパンで簡単!
基本のステーキの焼き方
(ミディアムレア)
基本のステーキの焼き方は、「強火で両面を30秒ずつ焼く→脂身の側面を30秒焼く→火から下ろして2〜3分休ませる」を1セットとして、好みの焼き加減になるまで3〜4回繰り返すだけです。準備するのはフライパンとオリーブオイル、塩だけ。ここでは、いちばん人気のミディアムレアに仕上げる松浦さん流の手順を紹介します。
用意するものはオリーブオイルと塩だけ
・オリーブオイル…フライパンの底にまんべんなく広がるくらい
・下味用の塩…肉の重量に対して0.2〜0.3%
松浦さん「焼くときの油は、鮮度の良いオリーブオイルや、酸化しにくい太白ごま油・米油などがおすすめです。オリーブオイルは香りがつくので好みが分かれるかもしれませんが、サラダ油よりも断然おいしく仕上がります。牛脂はものによって品質にかなり差があるので、良いものかどうかわからない場合は避けた方が無難です。ソースで食べるときでも、肉には塩で下味をつけておきます。肉についた塩分がつなぎとなってソースとの絡みが良くなるので、焼く直前にふってください」
オリーブオイル/フライパンの底にまんべんなく広がるくらい
下味用の塩/肉の重量に対して0.2~0.3%
ステーキの焼き方7ステップ
手順は次の7ステップです。ポイントは、③〜⑥の「強火で焼いて、休ませる」をワンセットとして繰り返すこと。1ステップずつ順番に見ていきましょう。
① 前日に肉をパックから出し、冷蔵庫で一晩おく
できれば前日に肉をパックから出し、網とトレイにのせて冷蔵庫で一晩おきます。肉の表面がほどよく乾き、こんがりした焼き目がつきやすくなります。時間がないときは省略し、焼く前にキッチンペーパーで表面の水分をしっかり押さえればOKです。
できれば、牛肉をパックから出し、網とトレイに載せて冷蔵庫で一晩おく
② フライパンをしっかり熱し、オリーブオイルを入れる
フライパンをしっかり熱してから、オリーブオイルを入れます。フライパンの底全体に行き渡る量は多めに感じるかもしれませんが、少し揚げ焼きのように調理することで、こんがりとした焼き目がつきます。
③ 肉の片面に塩をふり、強火で30秒焼く
肉の片面に下味用の塩を半量ふり、塩をふった面を下にしてフライパンに入れ、強火で30秒焼きます。火加減はとにかく強めで。塩は低い位置からふって多少かたよっても、焼いているうちに広がるので問題ありません。油ハネが気になるときは、フライパンの上にアルミホイルをふんわりかぶせてもOKです。
④ 裏返して、もう片面も強火で30秒焼く
裏返す前に、塩をふっていない面へ残りの塩をふります。裏返したら、そのまま強火で30秒。両面あわせて計1分の強火焼きで、香ばしい焼き目をつけます。
⑤ 肉を立てて、脂身のある側面を30秒焼く
弱火にし、トングで肉を立てて脂身のある側面を30秒焼きます。脂の厚い辺が上下2辺にある肉なら、それぞれの辺を焼きます。脂身側を焼くと余分な脂が落ち、うまみも引き出せます。
⑥ アルミホイルに包まず、温かい場所で2〜3分休ませる
フライパンから取り出し、コンロの横など温かい場所で2〜3分休ませます。アルミホイルには包まず、そのまま置くのがポイント。焼いた表面の熱が内部にじわじわ伝わり、肉全体の温度がゆっくり上がっていきます。その間、フライパンを弱火にかけておくと、次の焼きにスムーズに入れます。
⑦ 弾力を確かめ、「焼いて休ませる」を繰り返す
指でさわって弾力と熱さを確認し、まだ熱くなければ③〜⑥の「焼いて休ませる」を繰り返します。ミディアムレアなら計4回程度が目安です(塩をふるのは初回のみ)。繰り返すたびに焼き時間を少しずつ短くすると、火が通りすぎるリスクをさらに減らせます。表面をさわって熱くなければ、焼いた熱が内側に移った証拠。指の「OKサイン」と比べて好みの焼き加減になったら、1〜2cm幅にカットして盛りつけます。
焼き方のおさらい(早見表)
1.ステーキの両面を強火で焼く。焼き時間は30秒ずつで計1分
2.ステーキの脂身のある側面を弱火で30秒焼く
3.コンロ横など温かい場所で2〜3分休ませる
4.肉を指でさわって固さと熱さをチェック。熱くなければまた焼く(熱ければもう1分ほど待つ)
5.1〜4を、ミディアムレアなら4回程度繰り返す
※繰り返す回数はあくまで目安です。指でさわって確かめながら、好みの焼き加減に調整してください。
ステーキの焼き加減は
4種類。
違いと見分け方
ステーキの焼き加減は、大きく「レア」「ミディアムレア」「ミディアム」「ウェルダン」の4種類。中心部の火の通り具合によって、味わいも食感も変わります。それぞれの特徴と目安は次のとおりです。
【焼き加減4種類の比較表】
| 焼き加減 | 特徴 | 中心温度の目安 |
|---|---|---|
| レア | 表面は香ばしく、中は赤い状態。芯まで熱は入っているので冷たくはなく、生とは別物 | 約50〜54℃ |
| ミディアムレア | 赤みを残したロゼ色。ジューシーな仕上がりで、特に人気 | 約55〜58℃ |
| ミディアム | 全体に火が通り、ロゼ色はきっちり残る。うまみが凝縮され、ほどよい弾力。肉汁はやや少なめ | 約59〜63℃ |
| ウェルダン | 中まで十分に火が通り、全体が褐色に近い状態。肉汁は少なめで、歯ごたえしっかり | 約70~74℃以上 |
左から、レア、ミディアムレア、ミディアム、ウエルダン
本記事の「焼いて休ませる」焼き方 なら、繰り返す回数を減らせばレア寄りに、増やせばウェルダン寄りに調整できます。お好みの焼き加減が決まっていない人は、一通り焼き比べてみるのも楽しいですよ。
焼き加減は指でさわって確かめる(OKサインの法則)
焼き加減のチェックに温度計は必要ありません。目安になるのは、手で「OKサイン」を作ったときの親指のつけ根の固さです。人差し指と親指でサインを作ったときの固さが、レアに焼き上がった肉の固さの目安。組み合わせる指を中指に変えればミディアムレア、薬指ならミディアム、小指ならウェルダンと、指を変えることで確認できる焼き加減も変わります。焼いている肉をさわった固さと比べれば、肉を切らずに焼き加減を判断できます。
失敗しないステーキの焼き方5つのポイント
松浦さん流の焼き方で、特に意識したいポイントは5つです。「肉は常温に戻してから焼く」「アルミホイルで包んで休ませる」といった定番のセオリーとは異なる部分もありますが、いずれも家庭のキッチンで失敗を減らすための、理にかなった方法です。
肉は常温に戻さず、冷たいまま焼き始める
「冷蔵庫から出したばかりの肉は火が通りにくいから、常温に戻してから焼く」というのは、厚い肉を短時間で焼き上げるためのプロ料理人の時短の知恵です。家庭で使うステーキ肉は専門店の肉ほど厚くないため、常温に戻すと、表面に焼き目をつけようとするうちに中まで熱が入りすぎるリスクがかえって高くなります。ステーキ肉は冷たいまま調理をスタートさせましょう。
なお、焼く前日に肉をパックから出し、網とトレイにのせて、ラップをせずに冷蔵庫で一晩おくのがベスト。肉の表面がほどよく乾き、こんがりとした焼き目がつきやすくなります。
強火で肉の両面にきっちり焼き色をつける
肉の両面に焼き色をつけるときには、科学的に言うところの「メイラード反応」が起き、複雑な香りが立ちます。これがステーキらしい「香ばしさ」のもとになるので、焦げを恐れず強火でしっかり焼き上げましょう。ただし、厚さ1cmくらいの薄めのステーキの場合は、両面を焼くと中まで火が通りすぎる可能性があるため、片面だけをきっちり焼くのがおすすめです。
脂身のある側面も焼く(筋切りは基本不要)
松浦さん「脂身のある側面を焼くことで、余分な脂が落ちるうえに、うまみも引き出すことができます。この焼き方なら、事前の筋切りも必要ありません。ただし、薄い肉の場合は筋切りをしないと、焼くうちに反り返ってしまいます。薄い肉を全体にムラなく焼きたいときは、筋切りをするのもひとつの方法です」
筋切りをする場合は、約3cmおきに包丁を入れていきます。赤身と脂身の間にある筋膜を意識して、赤身部分まで刃を入れるようにしましょう。
筋切りをする場合は、約3cmおきに包丁を入れていきます。赤身と脂身の間にある筋膜を意識して、赤身部分まで刃を入れるようにしましょう。
温かい場所で「焼いては休ませる」を繰り返す
一気に焼き切らず、「焼いては休ませる」を繰り返しながら、余熱で肉の中までじっくり火を通していくのが松浦さん流。休ませる場所は、コンロ周りなど熱源の近くの温かい場所を選ぶことが肝心です。熱を逃さず、肉の中心までゆっくり伝えられます。
休ませるときはアルミホイルで包まない
焼いた肉をアルミホイルで包んで休ませる方法がよく紹介されますが、松浦さん流ではホイルには包みません。ホイルで包むと熱の逃げ場がなくなり、肉の温度が急に上がって身が縮み、せっかくの肉汁が流れ出てしまうことがあるためです。ホイルには包まず、温かい場所にそのまま置いて、肉の温度をあわてず、ゆっくりと上げていきましょう。
おいしさが決まる!
ステーキ肉の選び方
5つのポイント
おいしいステーキは、肉選びから始まります。「ステーキ用」と記載されたものを選べばいいと思いきや、松浦さんによれば、厚さや部位、色までがとても大事なポイントだそう。覚えておきたい合言葉は「面積よりも厚さ」です。
厚さは2cm以上を選ぶ
松浦さん「肉は厚いほどゆっくり火が通るので、薄い肉にありがちな焼きすぎの失敗が減らせます。スーパーでは厚さ1cm〜1.5cmの肉がステーキ用として売られていることもありますが、最低でも2cmは欲しいところ。もし薄い肉しかない場合は、その中で1mmでも厚みのあるものを選んでください。厚さが3cm〜4cmくらいあれば、焼きすぎる心配はほぼなくなりますよ。食べるときの気分が盛り上がるのも、分厚いステーキならでは。ステーキ肉は『面積よりも厚さ』だと覚えてください」
同じスーパーで売られているサーロインでも、厚さはさまざま。左から、約1.5cm(約200g)、約2cm(約320g)、約4cm(約500g)です。
部位はサーロインなど柔らかいものを選ぶ
松浦さん「牛肉は体の上にある部位ほど柔らかく、下へ行くほど固くなっていきます。焼くための肉は柔らかい方が好まれる傾向にあり、ステーキ用として一般的なサーロインやリブロースは、牛の背中あたりにあるロースの一部です。おしり周辺のランプ、イチボといった部位も柔らかくておすすめですね」
肉の色は小豆色のものを選ぶ
松浦さん「特に和牛や国産牛の場合、色は沈んだ赤色、小豆色のものがおすすめです。飼育期間が長い牛の肉は色素が沈着していて、その分味がしっかりしていることが多いんです。中には食感が固いものもありますが、基本的に味わい深くなっています。ハラミなどの内臓肉はもともとの色が深いため、その限りではありませんが、サーロインなどを選ぶときは参考にしてください」
脂肪(サシ)は好みで、筋(スジ)は少なめに
松浦さん「赤身との間にある脂肪(サシ)の量はお好みで。厚めの肉で、焼き加減がミディアムレアやレアだと、脂身がきつく感じる場合もあります。なお、和牛やA5等級の肉はステーキにするにはサシが多いので、交雑牛やA4・A3等級の肉を選んだ方が、価格の面からもお買い得でしょう。外側の脂肪(脂身)は、厚くないほうが焼きやすくなります。脂肪と赤身の間にある筋(筋膜)は生だとかみ切りにくいので、この部分はできるだけきちんと熱を加えたい。そうすれば、筋もおいしく食べられるようになります」
松浦さんによれば、このくらいのサシの量ならレアでもそれほど重く感じることはないとのこと。
表面の水分が少ないものを選ぶ
松浦さん「ステーキの醍醐味は、肉表面のこんがりした焼き目と、ジューシーな内部のダイナミズム。水分が多い肉は表面温度が上がりにくいため、焼き目がつくのに時間がかかり、焼き目がつく前に中まで火が通ってしまいかねません。できるだけ表面が濡れていないように見えるものを選びましょう。パックの中なら必要以上に乾燥することはないので、少し乾いているくらいに見えるものがおすすめです」
厚さ・部位別|
ステーキの焼き方のコツ
基本の焼き方は同じでも、肉の厚さや部位によって火の入り方は変わります。よくある4つのケース別に、調整のコツを押さえておきましょう。
厚切りステーキ(3cm以上)の焼き方
厚切り肉は、「焼いて休ませる」の繰り返し回数を増やして、時間をかけて中心まで熱を伝えます。1回ごとの焼き時間は延ばさず、休ませる時間を焼く回数に応じて長くしていく(最初は30秒程度から3分程度まで)のがコツです。肉が厚いほど火の通りはゆっくりになるため、焼きすぎの失敗はむしろ起こりにくく、実は初心者にこそ向いています。仕上げる前には必ず指でさわって、固さと熱さを確認しましょう。
薄いステーキ(1cm前後)の焼き方
厚さ1cm前後の薄い肉は中まで火が通りやすいため、両面ではなく片面だけに強火で焼き目をつけ、裏面は表面にさっと火を通す程度にとどめます。薄い肉は反り返りやすいので、約3cmおきに筋切りをしておくとムラなく焼けます。「焼いて休ませる」の繰り返しは1〜2回で十分です。
サーロイン・リブロースの焼き方のコツ
外側の脂身が特徴のサーロインやリブロースは、脂身のある側面をしっかり焼いて、余分な脂を落とすのがポイント。脂のうまみだけを残して、後味よく仕上げます。サシの多い肉はレアだと脂がきつく感じられることがあるため、思いきってミディアムくらいまで火を入れると、赤身とのバランスが整ったりもします。
ヒレ・ランプなど赤身ステーキの焼き方のコツ
脂肪が少ないヒレやランプなどの赤身肉は、火を入れすぎるとパサつきやすいのが難点です。強火で焼く時間を短めにし、余熱での「休ませ」中に内部の温度を上げて、レア〜ミディアムレアで仕上げるのがおすすめ。焼き加減の確認は、指でさわってこまめに行いましょう。
ステーキのつけ合わせ
おすすめ2選
お肉がドーン!とのったお皿もワクワクしますが、やはりアクセントになるものが欲しいところ。彩りや栄養の面でも、野菜を一緒に摂りたいですよね。そこで、ステーキに合うおいしいつけ合わせを、松浦さんに教えてもらいました。
小松菜のポリヤル風
① 小松菜1束は洗い、約3cm長さに切る。
② フライパンにオリーブオイル大さじ2、マスタードシード大さじ1を入れて弱めの中火にかける。
③ マスタードシードがはね出したら弱火にして小松菜を入れる。ときどき混ぜながら、じっくりと火を通す。
④ 葉の色が濃い緑色になったら塩ひとつまみを入れて混ぜて出来上がり。
松浦さん「ポリヤルは、カレーのつけ合わせなどに使われるインド料理。今回はステーキにソースを使うので、味つけは薄めにしました。ポイントは、できる限り弱い火でじっくり火を入れていくこと。葉はしんなりしても、茎のシャキッとした歯ごたえが残っておいしく仕上がります。小松菜だけでなく、キャベツでつくるのもおすすめです」
ポテトのタイム風味
① 鍋に米油(サラダ油でも可)を適量(ポテト全体がひたひたになるくらい)と、タイム、にんにく(皮ごと)ひとかけを入れて中火にかける。
② ハーブの香りが立ってきたら冷凍フライドポテトを入れて揚げる。
③ ボウルにざるを重ねておき、揚がったポテトを取り出して入れる。
④ 塩を好みの量ふり、全体が混ざるようにざるをふったら出来上がり。
松浦さん「冷凍のフライドポテトも、ひと手間プラスするだけでステーキのつけ合わせらしいごちそう感を演出できます。ざるをふることで、ハーブの葉が適度にポテトの表面に散ってくれます。タイムはクセがないハーブなので、苦手な人は少ないはず。お好みでローズマリーなどを使っても構いません。家飲みのおつまみにもぴったりです!」
仕上げはキッコーマンの「ステーキしょうゆ」で
今回のステーキに添えたのは 『キッコーマン ステーキしょうゆ』 。オニオン&ガーリック、にんにく風味、あらびきおろしの3種類がそろった、ステーキ専用の人気ソースです。焼き上げた肉にかけるだけで味がぴたりと決まるので、ソース作りの手間をかけたくない日にもおすすめです。
ステーキのアレンジレシピ
おすすめ2選
おいしいステーキの焼き方をマスターしたら、アレンジレシピにもぜひ挑戦を!ここでは、ホームクッキングで人気のステーキレシピの中から2つを厳選してご紹介します。もちろん、今回の松浦さん流の焼き方でトライしてもOKです。ソースや仕上げの参考にしてください。
和風玉ねぎソースでいただく
『ビーフステーキ』
玉ねぎのうま味とにんにくの香りが効いた、食欲をかき立てるソースを添えて。
玉ねぎのうま味とにんにくの香りが効いた、食欲をかき立てる和風ソースを添えて。しょうゆベースのソースは、ごはんとの相性も抜群です。
冬のあったか根菜ステーキ
こんがり焼いた根菜のつけ合わせが、ちょうどいい箸休めに。
こんがり焼いた根菜のつけ合わせが、ちょうどいい箸休めに。野菜も一緒にたっぷり食べたい日におすすめの一皿です。
ステーキの焼き方に関する
よくある質問
最後に、ステーキの焼き方についてよく寄せられる質問に、まとめてお答えします。
Q.ステーキは焼く前に常温に戻すべきですか?
A. 家庭で焼く厚さ2〜3cm程度のステーキなら、常温に戻す必要はありません。常温に戻すのは、分厚い肉を短時間で焼き上げるためのプロの時短テクニックです。家庭用の肉で行うと、焼き目をつける間に中まで火が入りすぎる原因になります。肉は冷たいまま、フライパンをよく熱してから焼き始め、「焼いては休ませる」を繰り返して中心温度をゆっくり上げるのが、失敗しないコツです。
Q.ステーキの焼き時間は合計でどのくらいですか?
A. 本記事の方法でミディアムレアに仕上げる場合、「焼き約1分半+休ませ2〜3分」を4回ほど繰り返すため、トータルで15〜20分程度が目安です。実際に火にかけている時間は6分前後。肉の厚さや火力によって変わるので、時間だけで判断せず、指でさわった固さを基準に確認してください。
Q.ステーキが固くなってしまうのはなぜですか?
A. 最大の原因は焼きすぎです。強火で焼き続けると、筋繊維が縮んで肉が抱えていた水分が絞り出され、固くパサついた仕上がりになります。強火はあくまで表面の焼き色づけのためと割り切り、肉の内部への火入れは余熱にまかせましょう。また、そのとき、アルミホイルで包むと、急に温度が上がって肉が縮む原因になります。休ませるなら包まずにゆっくりと、がおすすめです。
Q.牛脂とサラダ油、どちらで焼くのがいいですか?
A. おすすめは熱を加えても酸化しにくく、風味のいいオリーブオイルや太白ごま油、米油です。スーパーでもらえる牛脂は品質の差が大きく、良し悪しの判断が難しいため、よほど信頼できる店を除いては避けた方が無難です。精製されたサラダ油よりも、香りの良い油の方がステーキには向いています。
教えてくれた人 松浦達也さん
ライター、編集者、プランナー、フードアクティビスト。「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」といった食まわりをテーマに、食専門誌や新聞、雑誌、Webなどで活躍中。著書に『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)、『大人の肉ドリル』(マガジンハウス)などがある。
撮影/金田邦男
公開:2023年2月22日 最終更新:2026年9月14日


ホームクッキング編集担当より
こだわりが随所にある、松浦さんのステーキメソッド。撮影現場で実際に焼いていただき本当に驚きでした。そして焼き上がりもばっちり。同じ料理といっても、いろんな調理の仕方があるものだとあらためて思った次第です。今日は「ステーキを焼くぞ」と気合を入れた特別なときは、ぜひ今回の焼き方をお試しください。自慢の一品になるはずです!(編集長・杉森)